2022.09.12

ハーダウェイが殿堂入り式典で“ランTMC”を回想「私たちは時代を先取りしていました」

殿堂入りしたハーダウェイ(左)とマブスでプレーする息子(右)[写真]=Getty Images
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「シカゴの東側からやってきた子どもは、マサチューセッツ州スプリングフィールドにはほど遠かった。信じられません」

 そう口にしたのは、NBAでポイントガードとして計13シーズンをプレーしてきたティム・ハーダウェイ。9月11日(現地時間10日)にマサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで、今年のバスケットボール殿堂入り式典が開催され、念願の殿堂入りを果たしたのである。

 この日イリノイ州シカゴ出身のハーダウェイのプレゼンターを務めたアイザイア トーマス(元デトロイト・ピストンズ)とヨランダ・グリフィス(元WNBA)はシカゴ出身の殿堂入りした元選手たち。

 ハーダウェイはトーマスについて「彼のプレーを観て育ってきました。バスケットボールのアイドルです」と語り、グリフィスは「一緒に(同じ)高校へ行った仲。同じクラスで卒業しました」と、記念すべき式典で述べていた。

 そしてゴールデンステイト・ウォリアーズ時代に“ランTMC”を形成して超攻撃型バスケットボールを展開したチームメート、クリス・マリンとミッチ・リッチモンドが脇を固めていた。

「クリス・マリンとミッチ・リッチモンド。ランTMC。伝説ですね。私たちは伝説でした。私がNBA入りした時、ここにいる2人は私にすべてを教えてくれました。どうすればプロになれるのか、身体を大事にする方法、そして『ティム、君は本当に偉大な選手になりたいのか?』と聞いていたことでしょう。見てください、マリーとミッチは私を今日この場へ導いてくれたのです」。

4名のプレゼンターたちに囲まれてスピーチしたハーダウェイ[写真]=Getty Images

 両者についてそう話したハーダウェイは、2シーズンのみではあったものの、ウォリアーズでトリオとしてプレーしたランTMCを誇らしげに語っていた。

「そしてランTMCは、時代を先取りしていました。クリス、ミッチ、あなたたちは私にとってこれからもずっと家族であり続けます。私たち3人は、ウォリアーズで一緒の時、すべてをやってきました。あの時のこと、私たちの友情を大切にしています」。

 また、キャリア中盤から在籍したマイアミ・ヒートではアロンゾ・モーニングというビッグマンと共にプレーオフチームの主軸を務め、1997年にはカンファレンス・ファイナルにも進出した。

 現在ヒートのフロントオフィスで働くモーニングとキース・アスキンズという元チームメートたちはこの式典へ出席。モーニングはハーダウェイの紹介ビデオで「彼は私たちの原動力でした。そして私たちは彼へついていきました。それはとりわけ勝利していた時でした」とリーダーとして称賛。当時の指揮官で現在は球団社長を務めるパット・ライリーは式典へ出席していなかったものの、インタビューの中で「彼は史上最高のポイントガードの1人でした」と、かつてのエースガードを称えた。

 これまで殿堂入りにノミネートされながら、5度も落選してきたハーダウェイにとって、念願の殿堂入りはうれしかったに違いない。自身のバスケットボールキャリアを見つめなおしつつ、これまでに影響を受けてきたレジェンドたちへ語った感謝の言葉の数々は、きっと会場に集まった人たちや画面越しで視聴していた人たちにも伝わったのではないだろうか。