2022.10.24
渡邊雄太はプレシーズンの熾烈なロスター争いを勝ち抜き、ブルックリン・ネッツの開幕メンバーに名を連ねた。
エナジーあふれるアグレッシブなディフェンスに加えて、3ポイントシュートも50パーセントの成功率をマーク。当の本人は「要らないと思われたらカットされるだけ」と冷静だが、日本のNBAファンはケビン・デュラントやカイリー・アービングらオールスターとの共演を心待ちにしている。
渡邊のロスター入りには、地元メディアも大きな関心を抱いている。ネッツ専門メディア『NetsDaily』は、同選手の存在が日本におけるネッツの存在価値を高めると期待している。
それは様々な“数字”が裏付けている。渡邊は日本国内のジャージ売上ランキングで上位を維持しており、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)やレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)らと肩を並べて首位の座を争っている。
また、日本メディアの注目度もネッツと渡邊の相乗効果を後押しすることになるだろう。『NetsDaily』によると、ブルックリンの『HSSトレーニングセンター』で開催されたメディアデーとキャンプ初日には、多くの日本メディアが訪れたという。
ベン・シモンズやパティ・ミルズといった有名選手を輩出したオーストラリアからはわずかジャーナリストが1人駆けつけただけ。対して日本からは大手テレビ局や新聞社などから約15名が記者会見に集まったとのこと。
日本のファンも彼の勇姿を讃えている。本人の報告ツイートには、3万3000件の“いいね”が寄せられた。ネッツ公式アカウントは日頃3000いいねを超えることさえ稀なだけに、いかに日本のNBAファンが今シーズンの活躍を楽しみしているかがお分かりいただけるだろう。
球団のみならず、リーグ単位でも日本へのマーケット拡大はアジアの主要な目標のひとつのようだ。フィリピンでは約63パーセント、中国では約38パーセントの人々がNBAに関心を持っているのに対し、日本では好きなスポーツにプロバスケットボールを挙げる人がわずか6パーセントにとどまっている。
それでも、先日開催された「NBA JAPAN GAMES 2022」では、『さいたまスーパーアリーナ』の3万6500席が完売するなど兆しは見え始めている。
しかし、今後ジョー・ハリスやセス・カリーといった実力者がケガから復帰することを考慮すると、プレータイムの確保は容易ではない。NBA5年目を迎える渡邊にとって、真価が問われる1年となりそうだ。
文=Meiji
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