2022.10.28

「チームはタフになっている」…元リバウンド王ドラモンドがブルズへ持ち込んだこと

今夏ブルズへ移籍したドラモンド[写真]=Getty Images
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「俺はリバウンドに対して真剣に取り組んでいる。そして俺はこの部分がこのチームに欠けていた部分だと知っている」

 昨シーズン。シカゴ・ブルズデマー・デローザンザック・ラビーンというオールスターデュオの活躍もあって、イースタン・カンファレンス6位の46勝36敗を残して5シーズンぶりにプレーオフ進出を飾った。

 そうして迎えた今シーズン。チームは開幕5戦を終えて3勝2敗。デローザンが平均24.8得点4.0リバウンド5.4アシスト1.2スティール、ラビーンが同23.3得点3.7リバウンド3.7アシスト1.3スティールをマーク。

 また、ニコラ・ブーチェビッチが平均17.4得点11.8リバウンド3.0アシスト1.2ブロック、アヨ・ドスンムが同12.6得点5.0リバウンド3.6アシスト1.2スティール、ベテランのゴラン・ドラギッチが同8.6得点4.2アシストと続いている。

 そして今シーズンのブルズには、公称208センチ126キロという屈強な肉体を誇るアンドレ・ドラモンドというビッグマンがベンチに控えている。ここまで出場した5試合で平均15.6分ながら7.4得点9.4リバウンドを記録するキャリア11年目のベテランは、10月27日に『NBC Sports Chicago』へ公開された記事のなかでこう話していた。

「このチームには今世紀でベストなリバウンダーがいる。俺はリバウンドに対して真剣に取り組んでいる。そして俺はこの部分がこのチームに欠けていた部分だと知っている。今のこのチームはタフになっていると思う。どのリバウンドでも奪いにいくこと、それこそ俺が持ち込んでいることなんだ」

 これまでのキャリアで4度のリバウンド王に輝いたドラモンドは、キャリア平均13.2本で現役トップどころか、2000-01シーズン以降ではドワイト・ハワード(現無所属)の同11.8本を抜いてNBAで堂々トップ。

 さらには、コートに出ていた時間帯においてリバウンドを奪うことが可能な状況でどれほどの本数を手にしてきたかを示すトータル・リバウンド・パーセンテージという指標で、ドラモンドはデニス・ロドマン(元デトロイト・ピストンズほか/23.44パーセント)を抜いて24.69パーセントと、NBA歴代トップを誇っている。

ペイントエリアの肉弾戦で無類の強さを見せるドラモンド(中央)[写真]=Getty Images

 昨シーズンのブルズはオフェンシブ・リバウンドの平均8.7本が29位、ディフェンシブ・リバウンドが同33.7本で22位、合計リバウンド数は同42.3本で28位と、いずれもリーグ下位にいた。

 それが今シーズンは、5試合を終えた時点ながらオフェンシブ・リバウンドで平均11.0本(13位)、ディフェンシブ・リバウンドが同33.6本(15位)、合計リバウンド数では同44.6本(15位)と、いずれもリーグ中位へ上昇している。

 ドラモンド自身も、今シーズンのプレータイムはキャリア最小ながら、36分換算では自己ベストの21.7本と、リバウンドを積極果敢にもぎ取っている。「それは俺が正しくやっているということ。自分の出場時間でベストを出しているんだ」と自信を見せていた。

 技巧派のブーチェビッチ、肉体派のドラモンドという異なるタイプのセンターを擁するブルズは、この両選手が練習やスクリメージ(練習試合)でタフなマッチアップを繰り広げており、その相乗効果でチーム全体へリバウンドに対する意識が高まっていると言っていいだろう。

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