2023.02.22

オールスターで輝きを放ち、ソルトレイクシティを照らした最もまばゆい瞬間

テイタム(中央)がMVPを獲得し、オールスターゲームは幕を閉じた[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

 2月18日から20日(現地時間17日から19日)にかけて、NBAではオールスターウィークエンドがユタ州ソルトレイクシティで行われ、ダンクコンテストやライジングスターズ、オールスターゲームなど多くのイベントが開催されて盛り上がりを見せた。

 今年も、オールスターウィークエンドでは多くの見どころがあり、ファンにとっては見逃せない瞬間ばかりだったことだろう。その中でも、特に輝きを放った瞬間を紹介していきたい。

1.マック・マクラングがスラムダンクコンテストチャンピオンに
 2023年のスラムダンクコンテストは、ジョージタウン大学出身の若手、マック・マクラング(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)がトロフィーを手にした。しかし、重要なのは結果ではない。彼は、その技の数々で観客を興奮の渦に引き込み、ここ数年盛り上がりに欠けていたダンクコンテストを“復活”させたと評価されている。

 特に注目を集めたのは、予選1本目と決勝2本目のダンク。肩車をした大人2人を飛び越え、バックボードに当ててから叩き込んだ予選1本目も、空中で1回転半して叩き込んだ“540”ダンクも、どちらも会場のボルテージを一瞬で最高潮まで持っていった。

“新星”マクラングがダンクコンテストを復活させた[写真]=Getty Images

2.オールスタードラフトの成功
 2023年のオールスターゲームでは、初めてチーム分けのドラフトを試合開始直前に行った。このドラフトで最もファンの記憶に残っているシーンは、おそらくキャプテンのピックミスだろう。

 ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)は、スターターとして出場が決まっているジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)をベンチメンバーとしてピック。会場の笑いを誘ったヤニスは、結局スターターとして2位でモラントを選出した。

3.3人のレジェンドがコートに
 オールスターゲームのハーフタイムには、先日総得点ランキングで歴代1位に躍り出たレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)を祝うため、歴代2位のカリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか)と3位のカール・マローン(元ユタ・ジャズほか)が来場。3人のレジェンドが会場を盛り上げた。

マローン氏(左)、レブロン(中央)、ジャバー氏(右)の3ショット[写真]=Getty Images

4.ヨキッチがオールスター記録を樹立
 ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)が、誕生日にオールスターゲームのスターターを務めた史上初めての選手となった。2月19日がヨキッチの誕生日であり、この日で28歳となった。

5.アダム・シルバー氏が次世代のテクノロジーを発表
 NBAのコミッショナーであるアダム・シルバー氏が、試合のライブストリーミング体験を大幅に強化する新技術を発表した。特に注目を集めたのは、ファンが自身のアバターをスキャンし、試合中のフロアに立っている選手と入れ替えることができる新機能。

 シルバー氏は、デモンストレーションとしてNBAのブロードキャスターであるアーマド・ラシャド氏をジャズの試合に登場させるなど、実際の映像も発表した。

6.2年目を迎えたHBCUクラシックの開催
 HBCU(黒人によって黒人のために設立された大学の総称)クラシックが2年目を迎えた。2023年のHBCUクラシックでは、グランブリング州大学とサザン大学というライバル関係にある2校が激突し、グランブリング州大が69-64で勝利。

 また、両校の学生の学業、スポーツ、健康行動の取り組みを援助するため、NBAとAT&Tから100万ドルが寄付された。

黒人に関する歴史的背景を持つ2つの大学がエキシビションマッチで対戦[写真]=Getty Images

7.“グランド・セフト・アルバラード”が決勝シュートをヒット
 その特徴的なスティールからクライムアクションゲーム「グランド・セフト・オート」に喩えたニックネームを持つ、ニューオーリンズ・ペリカンズのホセ・アルバラード。2023年のライジングスターズに出場した彼は、決勝3ポイントシュートを決めたことでMVPに輝いた。

 実はその決勝シュートには、隠されたエピソードがあったようだ。アルバラードは、「俺がラストショットを打つなら、それを決めるかディナーを賭けないか?」とコートサイドのドノバン・ミッチェル(クリーブランド・キャバリアーズ)に持ちかけたらしい。見事賭けに勝利したアルバラードは晩餐にありついたという。

“グランド・セフト・アルバラード”がライジングスターズMVPを受賞[写真]=Getty Images

8.殿堂入り候補者のファイナリストが一部発表
 18日(同17日)、2023年にバスケットボール殿堂入りの候補とされている人物が発表された。

 この日アナウンスされたのは、ダーク・ノビツキー氏(元ダラス・マーベリックス)、ドウェイン・ウェイド氏(元マイアミ・ヒートほか)、トニー・パーカー氏(元サンアントニオ・スパーズほか)、パウ・ガソル氏(元レイカーズほか)、グレッグ・ポポビッチ氏(元スパーズHCほか)など。

 2000年代から2010年代のNBAを彩った選手やコーチが名を連ね、時代の移り変わりを感じさせる発表となった。ガソル氏は「このような栄誉は、長い間高いレベルでプレーし、この仕事が好きな人に与えられるものだ」とコメントした。