2023.04.16

NBA史上最少・最多平均得点のファイナルMVP獲得者…現役選手4名がランクイン

ランキングに名を連ねたレナード、イグダーラ、デュラント、アデトクンボ(左から順に)[写真]=Getty Images
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 NBAにファイナルMVPが創設された1968-69シーズンから54年間の月日が流れた。ファイナルMVPはホームタウンと球団にNBAチャンピオンの栄冠をもたらす最大の要因となった選手ともあり、レギュラーシーズンMVPと双璧を成す名誉ある称号だ。

 現地メディアの「FADEAWAY WORLD」は、最少・最多平均得点でのファイナルMVP受賞者をランキング形式で紹介している。基本的にはチームをけん引するエース級の選手が受賞することが多いが、なかには得点以外の活躍が評価されてMVPを獲得した選手もおり、それぞれ対照的なランキングは興味深いものとなった。

NBA史上最少・最多平均得点のファイナルMVP

※()内は当時の所属チームとNBAファイナルの年

■平均得点が最も少ないファイナルMVP
1位【9.0得点】ウェス・アンセルド(ワシントン・ブレッツ/1978年)※現ウィザーズ
2位【16.2得点】マジック・ジョンソン(ロサンゼルス・レイカーズ/1982年)
3位【16.3得点】アンドレ・イグダーラ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/2015年)
4位【16.4得点】ウィリス・リード(ニューヨーク・ニックス/1973年)
5位【17.7得点】セドリック・マックスウェル(ボストン・セルティックス/1981年)
6位【17.8得点】カワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ/2014年)
7位【18.5得点】ビル・ウォルトン(ポートランド・トレイルブレイザーズ/1977年)
8位【19.4得点】ウィルト・チェンバレン(ロサンゼルス・レイカーズ/1972年)
9位【20.6得点】ティム・ダンカン(サンアントニオ・スパーズ/2005年)
10位【21.0得点】チャウンシー・ビラップス(デトロイト・ピストンズ/2004年)

イグダーラは1勝2敗で迎えた第4戦から先発を務め、シリーズの流れを変える活躍を見せた[写真]=Getty Images

■平均得点が最も多いファイナルMVP
1位【41.0得点】マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ/1993年)
2位【38.0得点】シャキール・オニール(ロサンゼルス・レイカーズ/2000年)
3位【37.9得点】ジェリー・ウエスト(ロサンゼルス・レイカーズ/1969年)
4位【36.3得点】シャキール・オニール(ロサンゼルス・レイカーズ/2002年)
5位【35.8得点】マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ/1992年)
6位【35.2得点】ケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/2017年)
6位【35.2得点】ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/2021年)
8位【34.7得点】ドウェイン・ウェイド(マイアミ・ヒート/2006年)
9位【33.5得点】マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ/1998年)
10位【33.0得点】シャキール・オニール(ロサンゼルス・レイカーズ/2001年)

ファイナルの5試合すべてで30得点以上をマークしたデュラント[写真]=Getty Images

 平均得点が最も少ないファイナルMVPの称号には、ウェス・アンセルドが輝いた。ウィザーズの永久欠番にもなっているレジェンドセンターは、史上唯一の“平均1ケタ得点”でMVPを獲得。平均11.7リバウンドをマークすると、ディフェンス面でチームを支え、運命の第7戦を制す原動力となった。また、現在ウィザーズのヘッドコーチを務めているのは、息子のウェス・アンセルドJr.だ。

 16.2得点で最少平均得点の2位となったのはマジック・ジョンソン。1980年にルーキーながらファイナルMVPを獲得すると、2シーズン後には再びファイナルの舞台に戻ってきた。このシリーズでは得点こそ突出した数字ではなかったが、同10.8リバウンド8.0アシスト2.5スティールとオールラウンドに活躍し、自身2度目のファイナルMVPを受賞した。

 また、現役選手では16.3得点で3位のアンドレ・イグダーラ(現ウォリアーズ)と、17.8得点で6位のカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)がランクイン。2015年のイグダーラはすでに31歳のベテラン選手で、一方のレナードは22歳の有望な若手と対照的な境遇だったが、MVPを獲得した要因はどちらも同じくディフェンスだ。レブロン・ジェームズ(現レイカーズ)を守る大役を務め上げ、チームに勝利をもたらした2人はMVPに相応しい存在感を示した。

高いディフェンス力を発揮したレナードだが、第3戦以降は29得点、20得点、22得点を挙げ、攻撃面でも優勝の原動力に[写真]=Getty Images

 一方、平均得点が最も多いファイナルMVPは、マイケル・ジョーダンとなった。同期のライバルでもあるチャールズ・バークリーが率いるフェニックス・サンズを相手に、驚異の41.0得点と大爆発し、最初の3連覇を成し遂げた。バスケットボールの神様は自身2度目の優勝時には35.8得点、6度目の優勝時には33.5得点を挙げ、トップ10に3回も名を連ねた。

 さらに、レイカーズで3連覇を達成したシャキール・オニールは、そのすべてのシリーズでランクイン。その中でも悲願の自身初優勝を成し遂げた2000年のファイナルは特別だった。レジー・ミラー擁するインディアナ・ペイサーズとの対戦では第1戦で43得点、第2戦で40得点を奪うと、最終第6戦でも41得点をマーク。平均38.0得点と歴代2位の記録を残して、シャックは最初のファイナルMVPを手にした。

 37.9得点で3位に入ったジェリー・ウェストは、NBA史上唯一の敗戦チームからファイナルMVPを獲得した。セルティックスに敗れたものの、第1戦で53得点、第4戦で40得点、第7戦で42得点と獅子奮迅の活躍を見せ、初代ファイナルMVPに選出された。また、34.7得点で8位となったのはドウェイン・ウェイド。ダラス・マーベリックスに2勝され、ヒートに暗雲が立ち込めるも、第3戦以降は42得点、36得点、43得点、36得点と若きエースが爆発し、4連勝で球団を初優勝に導いた。

アデトクンボはウェイドと同じく、逆境を跳ね除ける4連勝でチームを優勝に導いた[写真]=Getty Images

 現役選手ではケビン・デュラント(現サンズ)とヤニス・アデトクンボ(現バックス)が35.2得点で同率6位にランクイン。クリーブランド・キャバリアーズを相手に持ち前のスコアリング能力を発揮したデュラントは、ウォリアーズで自身初の優勝とファイナルMVPを手にした。また、サンズを相手に2連敗スタートとなったアデトクンボは、第3戦で41得点を挙げると、最終第6戦では50得点を奪い、シリーズ逆転の4連勝でバックスに50年ぶりの優勝をもたらした。

 NBAのレギュラーシーズンが終わりを迎え、いよいよプレーオフが開幕。過酷なトーナメントを勝ち上がり、2022-23シーズンの最後にファイナルMVPトロフィーを掲げるのは、一体どの選手になるのだろうか。

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