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NBAの2022-23レギュラーシーズンで、最も高い勝率を残したのはイースタン・カンファレンス1位の58勝24敗(勝率70.7パーセント)を記録したミルウォーキー・バックス。続いて2位がボストン・セルティックスの57勝25敗(勝率69.5パーセント)、3位はフィラデルフィア・セブンティシクサーズの54勝28敗(勝率65.9パーセント)となった。
この3チームはリーグ全体でもトップ3の戦績であり、4月16日(現地時間15日、日付は以下同)から幕を開ける、今シーズンの覇権争いをかけたプレーオフでも勝ち上がっていくことが容易に想像できる。
ファーストラウンドでは第1シードのバックスが15日のプレーイン最終戦を制したマイアミ・ヒート(第8シード)、第2シードのセルティックスが第7シードのアトランタ・ホークス、第3シードのシクサーズが第6シードのブルックリン・ネッツ、そして第4シードのクリーブランド・キャバリアーズが第5シードのニューヨーク・ニックスと対戦する。このなかでもつれそうなのはキャブズとニックスくらいで、このほかの3シリーズでアップセットの可能性はきわめて低く、第6戦までもつれるかどうか。
渡邊雄太が所属するネッツが対峙するのは、今シーズンの直接対決で4戦全敗を喫しているシクサーズ。得点王(ジョエル・エンビード)とアシスト王(ジェームズ・ハーデン)を擁する優勝候補の一角であり、シリーズで1勝できれば御の字という下馬評となっている。昨年、トロント・ラプターズの一員としてプレーオフデビューを飾った渡邊は、シクサーズ相手に4試合で計10分4得点を記録。今年はそのスタッツを上回る可能性こそあるものの、1回戦突破は厳しいと言わざるを得ない。
1回戦を順当に勝ち上がれば、カンファレンス・セミファイナルはバックス対キャブズ、セルティックス対シクサーズとなる。バックスにはヤニス・アデトクンボというリーグ最高級の選手がおり、選手層も厚いのに対し、キャブズは2勝2敗と五分の戦績を残している。今シーズンにリーグ最多タイの71得点を残したドノバン・ミッチェル、51得点をマークしたダリアス・ガーランドという爆発力のあるガード陣と、ジャレット・アレン、エバン・モーブリーという高さと機動力を兼備し、ディフェンス力のある2人のビッグマンがいるのだが、バックス相手に4勝するのはさすがに厳しいか。
セルティックスはシクサーズ相手に3勝1敗。唯一落とした4月5日の試合も2点差の惜敗だった。シクサーズとしては、プレーオフでほぼ毎年ケガに苦しんできたエンビード、そしてベテランのハーデンが健康体を維持できればアップセットすることができるかもしれない。ただ、プレーオフ経験や昨シーズンのファイナルで敗れた苦い体験の払拭を期するセルティックスが1枚上手と見る。
となると、カンファレンス・ファイナルのカードはバックス対セルティックスというのが濃厚。“事実上のNBAファイナル”と言っても過言ではないほど、両チームの戦力は抜きん出ており、激戦となる可能性が高い。
両チームは昨年イースト準決勝で対決し、セルティックスが4勝3敗でバックスを撃破。だがバックスは第2の得点源クリス・ミドルトンがケガで全休していたにもかかわらず、ドリュー・ホリデーやボビー・ポーティスの踏ん張りで第5戦を制して3勝2敗で王手をかけていた。
今年バックスにはミドルトンがおり、ジョー・イングルズとジェイ・クラウダーというベテラン陣もロスターへ加えており、前年よりも着実に戦力を増強している。ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンというリーグ最高級のデュオを擁するセルティックスも優勝候補の一角なのは間違いないが、最後はバックスが昨年のリベンジを果たすのではないだろうか。
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