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6月5日(現地時間4日、日付は以下同)。『ESPN』の番組“NBA Countdown”へエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が出演し、NBAのヘッドコーチ(HC)たちの契約総額がつり上がることになるかもしれないと話していた。
というのも、フェニックス・サンズと決別したモンティ・ウィリアムズHCが、1日にデトロイト・ピストンズとNBAのヘッドコーチとして史上最高額となる6年7850万ドル(約109億1150万円)という超高額契約で合意と報じられたからだ。
この契約によって、同記者は「エリック・スポールストラ(マイアミ・ヒートHC)、スティーブ・カー(ゴールデンステイト・ウォリアーズHC)を含むハイレベルなコーチたちへ相当なインパクトを与えることになるだろう」と発言。
そして「この2人はどちらも契約が残り1年となる。私が聞いているのは、彼らの年俸が800万ドル(約11億1200万円)あたりだということ。もし彼らがオープンマーケットにいたとすれば、年平均で2000万ドル(約27億8000万円)近くになるだろうね」とも語っていた。
ウィリアムズHCはニューオーリンズ・ペリカンズ(ホーネッツ時代も含む)とサンズで計9シーズンを指揮して367勝336敗(勝率52.2パーセント)をマーク。プレーオフでは29勝27敗(勝率51.8パーセント)を残し、2021年にはウェスタン・カンファレンスを制してNBAファイナル進出も果たした。
だがスポールストラHCとカーHCはウィリアムズHCの実績を上回っており、現役では最上級の指揮官と言っていい。スポールストラHCはヒート一筋15シーズン目で704勝491敗(勝率58.9パーセント)、プレーオフでは109勝72敗(勝率60.2パーセント)でNBAファイナル進出6度、2度の優勝を誇っており、現在もデンバー・ナゲッツと「NBAファイナル2023」を戦っている。
一方のカーHCもウォリアーズで9シーズン指揮を執って473勝238敗(勝率66.5パーセント)、プレーオフでは99勝41敗(勝率70.7パーセント)を誇っており、6度ファイナルへ進出してNBAチャンピオンに4度も輝いている。
レギュラーシーズンの勝率でカーHCはNBA歴代11位、プレーオフ勝利数でスポールストラHCは同5位、カーHCが同7位タイで、プレーオフの勝率ではカーHCが同1位、スポールストラHCも同13位という好位置にいる。
ただし、同記者は両者の環境の違いについても指摘していた。スポールストラHCは28年前にビデオコーディネーターとして入団し、アシスタントコーチ(AC)としても経験を積んでヒートの指揮官へ就任してこれだけの実績を残していることから、この球団を離れるとは考えにくい。
その一方で、ウォリアーズは先日バスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)のボブ・マイヤーズが退任することを発表。新体制でカーHCと延長契約の交渉、あるいは来シーズン終了後に新天地へ向かうのであれば、その金額は特筆すべきものとなるかもしれない。
なお、ウォジナロウスキー記者はウィリアムズHCの高額契約の恩恵を受ける可能性がある指揮官として、ロサンゼルス・クリッパーズのタロン・ルーHCも挙げていた。
ちなみに、現在カーHCはアメリカ代表で指揮官を務めており、スポールストラHCとルーHCはAC、ウィリアムズHCは当初ACとしての役割を受け入れるも辞退し、ルーHCがその代役としてコーチングスタッフ入りしていた。
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