2023.05.31

ヒートが誇るライリー球団社長、スポールストラHCという“ファイナル経験豊富”な男たち

左からライリー、フィズデイル(元AC)、スポールストラ[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

ライリーは選手、コーチ、エグゼクティブとして19度目、スポールストラHCは指揮官としてNBA歴代4位タイの6度目のファイナルに

 マイアミ・ヒートは、5月30日(現地時間29日、日付は以下同)に敵地TDガーデンで行われた「NBAプレーオフ2023」のイースタン・カンファレンス・ファイナル第7戦で、ボストン・セルティックスを103-84で下したことで、4勝3敗でシリーズを突破した。

 これでヒートは2020年以来3年ぶり、フランチャイズ史上7度目のNBAファイナル進出が決定。今シーズンのチャンピオンシップ獲得をかけたデンバー・ナゲッツとの「NBAファイナル2023」は、6月2日にスタートする。

 1995年にビデオコーディネーターとしてヒートへ入団し、1997-98シーズンからアシスタントコーチ(AC)、そして2008-09シーズンからヘッドコーチ(HC)へ就任したエリック・スポールストラは、ヒート一筋28年間で指揮官として812勝(レギュラーシーズンとプレーオフの合計)、3度の優勝(2006年はAC、2012、2013年はHC)を飾った。

 そしてNBAの王座獲得をかけた頂上決戦は、自身6度目となる。これはスティーブ・カー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、グレッグ・ポポビッチ(サンアントニオ・スパーズ)、ジョン・カンドラ(ミネアポリス・レイカーズ)と並んでNBAのHCとして歴代4位タイとなる。

 試合中のアジャストメントに定評があるスポールストラHCは、ジミー・バトラーバム・アデバヨを擁するヒートがここ4年間で2度目のファイナル進出を飾るうえで不可欠な人物だったことは言うまでもない。

 ちなみに、このランキングでトップに立つのはシカゴ・ブルズとロサンゼルス・レイカーズで指揮を執ってきたフィル・ジャクソンの13度。続いてセルティックス時代のレッド・アワーバック(11度)、そして現在ヒートで球団社長を務めるパット・ライリーの9度。

 ライリーはレイカーズ時代に7度、ニューヨーク・ニックス時代に1度、そしてヒート時代の2006年にファイナルで指揮を執り、球団史上初優勝へと導いた。

 しかも、ライリーの場合は現役時代にレイカーズとフェニックス・サンズで計3度(1972、1973、1976年)、ヒートのエグゼクティブとしても2011年から2014年、2020年、2023年の計6度目も経験。さらにレイカーズのAC時代の1980年にもファイナルという大舞台に足を踏み入れている。

 今年3月に78歳を迎えたライリーは、選手、コーチ、エグゼクティブとしてなんと通算19度目のファイナルとなる。創設77年目のNBAにおいて、優勝チームを決めるシリーズの約4分の1にあたる24.7パーセントに関わっていることになるのだから驚きだ。

 なお、現役選手ではレブロン・ジェームズ(レイカーズ)が最多となる計10度のファイナル進出を果たしている。これはビル・ラッセル(元セルティックス/12度)、サム・ジョーンズ(元セルティックス/11度)に次いで、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか/10度)と並んでNBA歴代3位タイとなっている。

 今年はライリー、スポールストラHCという頂上決戦を何度も経験してきた男たちがいるヒートが4度目の優勝を飾るのか。それとも、ナゲッツがABA時代も含めて創設56シーズン目で悲願の初優勝となるのか。両チームによるシリーズに注目していきたい。

ヘッドコーチ時代のライリー(左)とスポールストラAC(中央)[写真]=Getty Images