2023.05.29

運命の第7戦へ臨むヒートのバトラー「俺は信じている。俺たちならできるとね」

2年連続でイースト決勝第7戦に臨むバトラー[写真]=Getty Images
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3連勝からまさかの3連敗で逆王手も、指揮官は前を向く 
「我々は苦労しながら地道にやらなければいけない」

 2020年以来、フランチャイズ史上7度目のNBAファイナル進出と4度目の優勝を目指しているマイアミ・ヒートは、あと一歩で「NBAプレーオフ2023」のイースタン・カンファレンス・ファイナルに決着をつけるところだった。

 5月28日(現地時間27日、日付は以下同)にホームのカセヤ・センターで行われたボストン・セルティックスとのシリーズ第6戦。ヒートはジミー・バトラーがフィールドゴール成功率23.8パーセント(5/21)、バム・アデバヨもフィールドゴール成功率25.0パーセント(4/16)で計11得点に13リバウンド5アシストと苦戦。

 そうしたなか、4本の長距離砲を沈めたケイレブ・マーティンが21得点15リバウンド、ゲイブ・ビンセントが15得点4リバウンド、ダンカン・ロビンソンが13得点をマーク。

 そして第4クォーターにバトラーがフィールドゴール成功率60.0パーセント(3/5)、フリースロー成功率80.0パーセント(8/10)の計15得点と息を吹き返す。

 オフェンシブ・リバウンドからのティップショットにステップバックスリー、ドライブからレイアップでファウルももらって3ポイントプレーを成功。そして残り3.0秒にフリースロー3本を決め切り、ヒートへ1点リード(103-102)をもたらした。

 この試合で計24得点11リバウンド8アシストをマークした闘将バトラーを中心に、ヒートはあと少しでセルティックスとのシリーズに終止符を打つはずだったのだが、マーカス・スマートが落とした3ポイントシュートのリバウンドにジェイソン・テイタムデリック・ホワイトが向かい、左側にいたホワイトがティップショットを決めて104-103でこの試合を制し、シリーズを引き延ばした。

ヒートが第7戦を制するためには、勝負師スポールストラの采配も重要となる[写真]=Getty Images

 3連勝で一気に王手をかけながら、まさかの3連敗で逆王手をかけられたヒートだが、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は最後のプレーを「恥ずかしい思いをした」と語るも、「後悔はない」と、前を向いていた。

「このシーズンはこういうものなんだ。とんでもないシリーズになっている。今のこの時点で、我々がどのようにして決着をつけることになるのかは分からない。ただ、我々はやってみせる。今はこれから迎える(第7戦開始までの)48時間が大事になってくる」

 今シーズンのヒートは、開幕7試合を終えて2勝5敗と出遅れたほか、プレーイン・トーナメントでアトランタ・ホークスに敗れたことで第7シードの座を逃し、シカゴ・ブルズとの一発勝負を制して第8シードを勝ち取ってここまで勝ち上がってきた。

「我々のグループにとって、このシーズンで簡単なことなど何もなかった。だからこそ、我々は苦労しながら地道にやらなければいけない。このグループがやるべきことはそれだけ」と指揮官は語る。

 昨年のカンファレンス決勝ではセルティックスに2勝3敗で王手をかけられて迎えた第6戦を制したものの、最終第7戦を4点差で惜敗しており、あと少しでファイナル進出を逃していただけに、今年ヒートはなんとしてでも昨年のリベンジを果たしたいところ。

 今年のプレーオフで驚異的な活躍を見せてヒートをけん引しているバトラーは「これがバスケットボールなのさ。しかも最高級の、めちゃくちゃ面白いところなのさ」と口にし、さらにこう続けていた。

「俺は信じている。俺たちならできるとね。パスするまでは同じテストになるということ。俺は誓う。俺たちは昨年も同じ立ち位置にいたんだ。俺たちならできる。このチームならできると分かっている。敵地へ行かなきゃいけないし、ものすごくタフな環境で勝たなければいけないけどな」

 ヒートは2年連続でNBAファイナルへの出場権をかけた運命の第7戦を30日に敵地TDガーデンで迎える。スポールストラHCの下、バトラーを中心にこのチームが昨年のリベンジを達成することができるかは必見だ。

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