2023.06.09

ファイナルでも活躍を続けるヨキッチ…相棒マレーは「もう言い出したらきりがないよ」

ファイナルでも申し分ない活躍を見せているヨキッチ[写真]=Getty Images
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第3戦でファイナル史上初の30得点20リバウンド10アシスト超え
ファイナル最初の3試合で100得点に到達した史上5人目の選手に

「試合に勝ててうれしいね。相手は僕らのアリーナで勝っていたから自分たちにとってこの試合が重要だったんだ。僕らは1勝2敗で負け越したくなかったんだ」

 そう語ったのは、デンバー・ナゲッツニコラ・ヨキッチ。ナゲッツとマイアミ・ヒートによる「NBAファイナル2023」は、1勝1敗で6月8日(現地時間7日、日付は以下同)に第3戦がヒートのホーム、カセヤ・センターで開催され、ナゲッツが109-94で快勝してこのシリーズを2勝1敗でリード。

 この試合で、ナゲッツはジャマール・マレーがゲームハイの34得点に10リバウンド10アシストのトリプルダブルを達成。そしてセルビア出身の万能型ビッグマンも30得点超えのトリプルダブルをたたき出し、NBA史上初の快挙を成し遂げた。

 ヨキッチは43分45秒もコートに立ち、フィールドゴール成功率57.1パーセント(12/21)、フリースロー成功率87.5パーセント(7/8)の計32得点に21リバウンド10アシスト2ブロック。ヨキッチにとって、プレーオフで1試合30得点20リバウンド10アシスト以上をクリアしたのは3度目で、『ESPN Stats & Info』によると、これまでカリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)、ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)がそれぞれ1度達成している。

 だがファイナルというNBAの頂上決戦で30得点20リバウンド10アシスト超えをマークしたのはこのヨキッチのみで、NBA史上初の快挙を成し遂げたのである。

 今年のプレーオフで、ヨキッチは18試合に出場して10度のトリプルダブルに達しており、平均トリプルダブル(30.5得点13.4リバウンド10.1アシスト)に1.0スティール0.9ブロック、フィールドゴール成功率54.6パーセント、フリースロー成功率80.0パーセントと絶好調。

第3戦でも高確率なショットで加点していたヨキッチ[写真]=Getty Images

 ファイナル3試合でも平均33.3得点14.0リバウンド9.3アシスト1.0ブロックにフィールドゴール成功率59.0パーセント、フリースロー成功率85.7パーセントと高精度なショットが光っており、計100得点に到達。『ESPN Stats & Info』は、ファイナル最初の3試合で100得点をクリアしたのはNBA史上5人目の快挙と報じており、1967年のリック・バリー(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか/122得点)、2001年のアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか/106得点)、1970年のウィリス・リード(元ニューヨーク・ニックス/104得点)、2021年のヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/103得点)に次ぐ記録となった。

 ヨキッチの超人的なスタッツに、相棒マレーは「数字が物語っている」と切り出し、このように称えていた。

「彼がこなしていることは簡単にやっているように見えてしまう。高確率にショットを決め、ターンオーバーを少なくし、ブロックショットを2本決める。ピック&ロールで最高のコミュニケーションをとっていて、(高いバスケットボール)IQだってある。もう言い出したらきりがないよ」

 同メディアのデータによると、今年のファイナルでナゲッツは3戦を終えてヒート相手にペイントエリアで48得点も上回っているという。これは2001年のファイナルでシクサーズ相手に記録したシャキール・オニール(元レイカーズほか)以来の大差となっており、公称211センチ129キロのヨキッチの存在が大きく影響していると言えよう。

 なお、現時点でヨキッチは「NBAプレーオフ2023」でいずれもトップとなる計549得点、241リバウンド、182アシストを残している。

 得点部門の2位はヒートのジミー・バトラー(546得点)、リバウンドでは2位がアンソニー・デイビス(レイカーズ/225本)、現在もプレーしているのはヒートのバム・アデバヨの204本で、アシストではチームメートのマレーが122本で2位にいるものの、このままヨキッチが主要3部門でトップとなってファイナルを終えることとなれば、こちらもNBA史上初の偉業になる。

 もちろん、ヨキッチとナゲッツの選手たち、コーチ陣がフォーカスしているのはヒートにあと2勝してフランチャイズ史上初のNBAチャンピオンに輝くこと。10日の第4戦に勝利して3勝1敗で王手をかけることができれば、優勝へ大きく近づくだけに、両チームにとって重要な一戦となるに違いない。

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