2023.07.01
サクラメント・キングスは昨季、レギュラーシーズンでウェスタンカンファレンス3位となる48勝34敗の成績を残し、2005-06シーズン以来のプレーオフ進出を果たした。結果こそ1回戦敗退となったものの、王者ゴールデンステイト・ウォリアーズをフルセットまで追い込むシリーズは可能性を感じさせる内容であり、直近の15年間で最も成功したシーズンになったのは言うまでもない。
球団はこの1年が偶然でないことを証明するために、鼻息を荒くして来シーズンに向けた準備を進める所存だろう。しかし、キングスは主要選手を含む複数のプレーヤーが市場に出る予定であり、『Spotrac』によるとサラリーキャップフロアに対して約2400万ドル(約34億4000万円)のスペースが残されている。
このような状況下において、キングスはフォワードの再考が必須任務となっているが、『The Lead』はフロントコートに奥行きをもたせるフリーエージェントから、1人の男の名前を挙げている。それは、渡邊雄太である。
また、キーガン・マレーを維持しつつ、再契約を望んでいるトレイ・ライルズも帰ってくれば、ビッグネームのフリーエージェントと交渉する余地は残されていない。ここでキングスに最適な選手こそが、渡邊なのである。
『The Lead』は、渡邊について「キングスが求めるすべてを備えている」と見出しを掲げ、選手としての魅力に言及している。
渡邊について特筆すべきは、飛躍的に成長した3ポイントだ。ディアロン・フォックスとドマンタス・サボニスを中心にオフェンスを組み立てるキングスにとって、キックアウトを受け取る選手のクオリティは勝敗のカギを握る。だが、チームのトップシューターであるバーンズとケビン・ハーターはともに、プレーオフでの3ポイント成功率が25パーセント未満まで冷え込み、惜しくもセカンドラウンド進出を逃してしまった。一方、渡邊は1試合につき最低2回のアウトサイドシュートを放つ選手のなかで、リーグでトップ10に入る成功率45.7パーセントを記録。オープンからのシュートで安定感を示した渡邊がキングスオフェンスにフィットするイメージは、想像に難くないだろう。
また、ディフェンス意識の高さも、ブラウンHCの哲学に沿ったスタイルと言える。ジョージ・ワシントン大学出身のフォワードが、ブルックリン・ネッツで居場所を確保した最初の理由も、献身性とエナジーだった。エリートディフェンダーたちにも見劣らない守備には不思議と“伝染力”があり、守備を重んじるキングスの文化は渡邊にも最適な環境。さらに、ロスターのサイズアップも見込めるとなれば、渡邊という選択肢は非常に合理的な判断に映る。
シューティング、ディフェンス、サイズ。ロスターに深みをもたせたいキングスがFA市場でアプローチすべき選手の中で、Yuta the Shooter以上に最適な条件を兼ね備えた選手はいないのかもしれない。
文=Meiji
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