2023.07.27

FA市場も終盤戦!未だ所属球団が決まっていない実力派の選手をリストアップ

まだ所属が決まっていない注目のFAプレーヤーをピックアップ [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAはサマーリーグを終え、トレーニングキャンプ開始まで残すところ約2ヶ月となった。球団はルーキーや若手の実力を測り、いよいよロスター構築の最終段階へと突入していく。

 フリーエージェント(FA)もカイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)の再契約や、フレッド・バンブリードのヒューストン・ロケッツ加入など、ビッグアナウンスが相次いだが、市場にはまだ来季の契約を待つ実力者が多数存在する。

『The Athletic』でシニアコラムニストを務めるジョン・ホリンジャーは、未だFA市場に在籍する有力選手をリストアップ。本稿でその中から一部選手を抜粋してご紹介する。

PJ・ワシントン(シャーロット・ホーネッツ/パワーフォワード)

※制限付きFA

22ー23シーズン、キャリアハイの得点をマークしたワシントン [写真]=Getty Images


 PJ・ワシントンは、器用でありながらも、突出したスキルセットがなく、評価が難しい選手である。ストレッチ性能の高いインサイドプレーヤーだが、スリーポイントは1試合平均5.9本試投で、成功率は34.8パーセント。また、平均リバウンド数は、ラメロ・ボールやケリー・ウーブレよりも少なかった。

 しかし、スタッツ面では大きな成長こそ見られないものの、得点意欲や課題とされていたディフェンスは確実に向上。平均得点もキャリアハイの15.7得点を記録している。

 ルーキー契約が終わり、制限付きFAのワシントンだが、インサイドに実力のある若手が必要な球団からの関心があるのは間違いない。しかし、ホーネッツには十分なキャップスペースがあることから、ホリンジャーはオファーシートへのマッチが最有力とし、来季もホーネッツ残留の見解を示している。

クリスティアン・ウッド(ダラス・マーベリックス/センター)

ブロックショットなどDFで貢献するウッド [写真]=Getty Images


 ウッドは、昨季も十分なスタッツを残したにもかかわらず、マブスで定位置を確保できないのは意外だった。おそらく、208センチ、97キロというサイズでセンターを任され、オールスター級のビッグマンとの対峙に苦戦したのが原因だろう。

 しかし、ウッドの火力がリーグでも指折りであることに疑いの余地はない。ロケッツ時代のパフォーマンスは言わずもがな、2022−23シーズンもスターターとしての起用は17試合、平均プレータイムも25.9分という状況下において、16.6得点、7.3リバウンド、スリーポイント成功率37.6パーセントと、上々の成績を残した。

 パワーフォワードとセンターのどちらでもプレーでき、強力なオフェンスに機動力と、フロントコートでの影響力は十分に証明されている。1700万ドル(約24億円)のサラリーを支払え、インサイドの得点が欠如している球団は、前向きに獲得を検討したい選手である。

ケリー・ウーブレJr.(シャーロット・ホーネッツ/スモールフォワード)

キャリアの全盛期を迎える一方、コスパの高さで移籍先はすぐに見つかりそう [写真]=Getty Images


 ウーブレもその期待値とは裏腹に、キャリアの永住を約束するような定位置を確保できていない。それはプレーにムラがあることと、現代バスケのスコアラーとしてはスリーポイント成功率に物足りなさがあることが原因と考えられる。

 好調時には20点台後半から30点台を叩き出すウーブレだが、得点に伸び悩む日もあり、レギュラーシーズンの平均スリーポイント成功率は、キャリアで一度も36.0パーセントを超えたことがない。また、オンボールディフェンスには定評がある一方で、オフボールでは注意が散漫になるシーンが散見され、守備網に穴を開けることも。

 しかし、得点効率こそ改善の余地があるが、昨シーズンは初の平均20.0得点オーバーを記録。27歳でキャリア全盛期に入り、1200万ドル(約16億9300万円)と比較的に手頃な実力者であることから、来季の所属先に困ることはないだろう。

ハミドゥ・ディアロ(デトロイト・ピストンズ/スモールフォワード)

ポテンシャルの高さを秘めているディアロ [写真]=Getty Images


 ケンタッキー大学出身の24歳は昨季、若手中心のピストンズでわずか17.8分しか出場時間を与えられておらず、彼がピストンズの将来設計に組み込まれている可能性は極めて低い。

 しかし、ディアロは過小評価されている選手の1人で、有望なベンチスコアラーとして開花するポテンシャルを秘めている。2022−23シーズンの36分換算のスタッツは、18.9得点7.0リバウンド2.0アシストフィールドゴール成功率57.3パーセントを記録。見込みのないスリーポイントや、わずか58.8パーセントのフリースロー成功率は早急にバージョンアップする必要があるが、大胆なディフェンスによる貢献も決して少なくない。

 アウトサイドシュートがなく、スペーシングが期待できないため、適当な球団はアップテンポなチームだろう。正しく起用できれば、市場価値以上のパフォーマンスが見込めるかもしれない。

文=Meiji

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