2024.08.02
NBAは、緻密に計算されたルール設定により、試合展開や勢力図が移り変わり、リーグに立体感をもたらしている。
そのひとつが、サラリーキャップ制度である。チームには所属選手全員の年俸総額に上限が設定されており、フロントは高額なスター選手とロールプレーヤー、新加入のルーキー、経験豊富なベテランなどのバランスを考えながらロスターを構築する必要がある。
そうした制限下において、高い給料を受け取りながらも、その期待に応えるパフォーマンスを発揮できない選手の在籍は、球団の成績や今後の未来図に大きな影響を及ぼすこととなる。『Fadeaway World』は、選手個人の直近の成績を振り返りながら、プレーとサラリーが見合っていない高給取りプレーヤーをリストアップした。
フィラデルフィア・セブンティシクサーズでは、初年度こそケガで出場機会に恵まれなかったものの、ルーキーイヤーは新人王の活躍。その後も3度のオールスター、2度のオール・ディフェンシブ・ファーストチーム選出など、若手のホープの筆頭として順風満帆なキャリアを送るものと思われていた。
しかし、その期待の大きさから責任とプレッシャーが重くのしかかると、チームの成績不振の批判対象に。そして、メンタルの問題やケガの影響から負のサイクルに陥り、シクサーズとは半ば喧嘩別れのまま、ブルックリン・ネッツへと移籍。だが、復活が期待されたネッツでも、かつての評判を取り戻すには至っていない。
シモンズは、2023-24シーズンに3800万ドル(約53億6500万円)、2024-25シーズンには4000万ドル(56億5600万円)以上を受け取る契約となっている。もし、今シーズンのネッツでポテンシャルを発揮できなければ、来シーズンは再びこのリストで最初に名前を挙げなければならない可能性は極めて高い。
チームのリードスコアラーとして、シャーロット・ホーネッツに加入したスモールフォワードだが、契約後は脚部や肩などケガが続き、2020-21シーズン以来、一度もレギュラーシーズンで51試合以上の出場がない。過去3年間の平均スタッツは16.7得点4.9リバウンド3.9アシスト。健康状態を維持し、球団のプレーオフ進出に貢献したのであれば、見え方は変わるものの、お世辞にも年間40億円超えの期待に応えるパフォーマンスとは言い難い。
ホーネッツにとって幸いなことは、2023-24シーズンがヘイワードとの契約のラストイヤーとなることだろう。これにより、来シーズンのオフは積極的にFA市場に参加でき、ラメロ・ボールの新たな相棒を探す余裕が生まれる。一方のヘイワードは、選手としての真価を発揮できなければ、2024-25シーズン以降の球団探しで苦戦を強いられることになるだろう。
契約を締結する前、ハリスは堅実なスコアリングと信頼の置けるディフェンスで選手として高い評価を獲得。だが、過去4シーズンは20得点、7.0リバウンドとスタッツはやや物足りなく、シクサーズを目標とする舞台には導けていない。
もちろん、ハリスが優れた選手なのは誰もが認めるだろう。ただし、ハリスは4000万ドル近いサラリーを受け取っており、『Fadeaway World』によれば、リーグでハリスより高給取りな選手は17人しか存在しない。
31歳という年齢を考慮すると、今後数年でアスリートとして飛躍的に改善する未来は想像しがたい。シクサーズがジョエル・エンビードの要望に応じるためには、直近の1年でハリスにまつわる新しいアクションが求められる。
文=Meiji
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