2023.10.18

シャック社長の初仕事!リーボック復権へ…絶大な人気誇るNCAAスターとNIL契約

2015年、韓国でリーボックの出店イベントに参加したオニール[写真]=GettyImages

 シャキール・オニールアレン・アイバーソンの2人をバスケットボール部門の社長と副社長に迎え、華々しく再建に乗り出したリーボックから早速、ビッグニュースが舞い込んできた。

 昨シーズン、ルイジアナ州立大学(LSU)のNCAAトーナメント初優勝に貢献した未来のWNBAスター、エンジェル・リースとNIL契約(肖像権を使ったスポンサー契約)の締結が発表された。

 新生リーボックの最初のアナウンスについて、シャックは以下のコメントとともに喜びをあらわにしている。

「この役職における最初の契約は、GOAT(最高の選手)である必要がありました。現在、エンジェル・リースほどゲームに大きな影響を与えている選手はいません」

ESPY表彰式でNBAスターたちと記念撮影するエンジェル・リース[写真]=GettyImages


 シャックがGOATと呼ぶように、リースはNCAAのトップアスリートとして絶大な人気を誇っている。

 フォワードを主戦場とする身長191センチメートルの同選手は、昨シーズンは1試合平均23.0得点(リーグ5位)、15.4リバウンド(リーグ2位)のダブルダブルを記録。サイズに似つかわしくない機動力と爆発力が持ち味で、ペイントエリアでは多彩なスキルからバスケットに接近し、得点を積み重ねた。また、ガードでのプレー経験で培った視野の広さで、キックアウトから味方の得点シーンを演出することも少なくない。一方で、現代バスケの必須スキルとされるアウトサイドこそ兼ね備えていないものの、驚異的なブロック数は守備での貢献度を示しており、ペリメーターでは長いウイングスパンを活かしてスティールを量産してきた。

 インスタグラムに260万人のフォロワーを持つリースの人気の理由は、そのアイコニックな存在感にある。コート上での強い自己顕示性はスターとしての素質の表れであり、時にはトラッシュトークも辞さない性格。また、自身の出身地、特徴的なまつ毛、ピンク好きなどの個性に由来して、“バイユー・バービー”のニックネームでも親しまれている。

 リースはリーボックとの契約について、シャックがバスケットボール部門の社長に就任したことが決断の大きな決め手となったと語る。2人はともにLSU出身という共通点があり、リースのコート上におけるパフォーマンスに批判が集まった際にもシャックが擁護するなど、両者は友好な関係にあるのだ。

シャックの母校でもあるルイジアナ州立大学でプレーするエンジェル・リース[写真]=GettyImages


「彼が社長に就任したという知らせは、私にとっての大きなインスピレーションとなることでしょう。アスリートや元アスリートが、アスリートの域を超えてブランド社長に転身する姿には大きな感銘を受けました。私もいつかそのようになれたらと思います」

「彼らが私に信頼を寄せ、彼らの伝統を新世代に普及するチャンスを提供してくれることに、大変な興奮を覚えています。我々はともに、異なる手法で物事を実現する素晴らしい機会に恵まれました。人々に寄り添い、詫びれることなく自己表現をする方法を提示し、それがどれだけ素晴らしいことかを表現したいと思っています」

 プレイステーション、マクドナルド、コーチ、アマゾンなどともNIL契約を結ぶリースだが、リーボックとのパートナーシップは最大規模の契約と予想されている。また、今回のNIL契約には、彼女が選択したリーボックアイテムのコレクション展開が含まれるほか、今後は自身がデザイン協力し、オリジナル商品の発表にも取り組む予定だ。

 連日リーボックのアクションに湧くバスケシーン。シャックの次なる一手は、すでに仕込み終わっているのかもしれない。

文=Meiji