2024.01.09
2023-24シーズンにフェニックス・サンズへ加入した渡邊雄太は、アジャストに苦戦を強いられている。1試合の平均プレータイムこそ昨シーズンと大差ないものの、12月中旬以降は10分以上のプレーがなく、直近10試合のうち6試合は出番がない状況だ。
練習中にメディアからマイクを向けられた渡邊は、現状を冷静に分析。ローテーション復帰に向けては、精神面の改善がカギを握ると考えているようだ。
「僕の持ち味は、3ポイントなどです。今シーズンはシュートがあまり良くありません。皆さんが見てくれていると思いますが、練習ではいいシュートを打てています。なので、それが精神的なものであることを理解しています。それでも、積極的にたくさんのショットを放たないといけないですし、体調を維持しなければいけません。僕らは週に2、3回程度、ピックアップゲームを開催しています。今シーズンはあまりいい形でプレッシャーを感じ取れていないので、心を正し、メンタルを正さないといけないと思います。その次にステップインし、僕がまだプレーできると証明しなければいけません。このチームには高いレベルでプレーできる選手がたくさんいますから、僕は数分間のプレーに限られています。プレータイムを勝ち取るのは本当に大変なので、まずはコンディションを維持したいです」
昨シーズンは1試合平均44.4パーセントの3ポイント成功率を記録し、一時はオールスターの3ポイントコンテスト出場の可能性も噂され、“Yuta the shooter”のニックネームを与えられた渡邊だが、今シーズンの成功率はわずか同32.9パーセントにとどまっている。
そして、もう一つのシグネチャーであるディフェンスも鳴りをひそめている。指揮官のフランク・ヴォーゲルHCは、1対1のディフェンス強化に取り組んでいるものの、システムは浸透しておらず、チームのディフェンシブレーティングは昨シーズンの「112.3(リーグ9位)」から、「115.2(同16位)」にまで落ち込んでいる。
渡邊自身もコーチから期待されているディフェンス力を最大限に発揮するべく、責任感を口にした。
「コーチングスタッフは、1対1のディフェンスを要求してきました。ご存知のとおり、僕らには素晴らしい計画があり、毎日ハードに練習をこなしています。結局のところ、1対1のディフェンスが機能しなければ、戦略もチームディフェンスも機能しません。コーチは僕らに1対1を求めているので、僕らは確実にディフェンスを改善する必要があります。それが、僕らがピックアップで取り組んできたことでもあります」
選手にとって、コートに立てないこと以上の歯痒さはないはずだ。それでも、渡邊は決して腐ることなく、どんな状況でもチームに貢献する姿勢を忘れない。
「特にキャリア最初の3、4年はベンチで過ごす時間が長かったですし、このような経験は初めてではありません。僕にはチームメートをサポートし、彼らを手助けする責任があります。チームメートのためにハッピーでいなければなりません。仲間がビッグプレーを決めるたびに、立ち上がって手を叩き、チームを鼓舞します。難しい状況ではありますが、同時に僕らは同じチームに在籍していて、同じ目標を目指しているので、いいチームメートでなければいけないのです」
数々の試練を乗り越え、献身性とチーム愛に満ち溢れた渡邊なら、必ずシーズン内にカムバックしてくれるだろう。攻めあぐねるサンズをプレーオフ圏内に押し上げるためには、背番号18のハスリングが不可欠だ。
文=Meiji
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