2024.03.25

アメリカ選抜vs世界選抜の可能性も…「あれはバスケではなかった」NBAがオールスターの方式変更か

豪華な顔ぶれが集まる一方で、オールスターゲームの内容には不満が集まっている [写真] = Getty Images
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 3月23日(現地時間22日、日付は以下同)、NBAコミッショナーのアダム・シルバーが現地メディア『CNN』の番組に出演。NBAオールスターのフォーマット変更の可能性について言及した。

 2月19日に行われたオールスターゲームは史上初めて200点を超える試合となったものの、選手は激しい接触を避ける傾向にあるため「ただの玉入れは見たくない」「真剣勝負をしてほしい」というファンの声が相次いだ。また、視聴者数は過去最低の前年に次ぐワースト2となり、ビジネス面においてもオールスターゲームのフォーマットに対する画期的な変化が必要な状況である。

 シルバーはこの件について言及し、「素晴らしいウィークエンドではあったが、あれはバスケットボールの試合ではなかった」とファンの意見に対し同調した。

「この件について議論する上で大切なポイントであり、私が今最も気にしているのは、この世代の選手達がオールスターゲームをシーズン中の休暇と見ているかどうかです。選手本人に加え、所属チームも同様です。この中で、オールスターゲームに真剣勝負を求めている人は誰もいない。たくさんの選手と話をする機会を持ちましたが、特に若い選手たちはこのオールスターゲームを長いシーズンにおける休暇と捉えているということがわかりました」

 また、シルバーは今後の可能性の一つとして「アメリカ選抜対世界選抜」のフォーマットを検討するとコメント。これは、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/セルビア出身)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/ギリシャ出身)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス/スロベニア出身)といった海外出身のスター選手が数多く在籍する現状を反映したものである。ただし、「競技性」「真剣勝負」という側面に対しては引き続き慎重だ。今年のオールスターウィークエンドで開催された、WNBAのサブリナ・ヨネスクー(ニューヨーク・リバティ)とステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)による3ポイントシュートの一騎打ち“サブリナ対ステフ”について触れ、次のようにコメントした。

「エンターテイメントの側面では、“サブリナ対ステフ”が好評だったことを踏まえ、私たちはこれまでにない新しいことを導入すべきだと思っています。バスケットボールを称える祝宴として、オールスターゲームに出来ることを考えます。私たちは、アメリカ対インターナショナルの方式について検討を進めます。ただし、真に競技性のある試合を求める段階はもう過ぎているのかも知れません」

 ミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズは、オールスターゲームを終えた直後のインタビューで「“オールスターブレイク”の名前の通り休暇なのだから、ただエンジョイするものだと思っている。誰も真剣勝負をしないはずだ」と明言していた。スター選手が一堂に会する貴重な機会である同時に、本人や所属チームは試合そのものも休息の一環と捉えている。一方で、ファンに対してはエンターテイメント性を担保しなければならない、という非常に難易度の高い課題に直面しているオールスターゲーム。今後どのような試行錯誤が行われるのか、来シーズンに期待したい。