2024.06.16
4月23日(現地時間22日、日付は以下同)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは敵地マディソン・スクエア・ガーデンでニューヨーク・ニックスとのプレーオフ第1ラウンド第2戦に臨んだ。レギュラーシーズン後半に大黒柱のジョエル・エンビードを長らくケガで欠いていたシクサーズは、7位シードとしてプレーオフに臨んでいる。
シクサーズにとって、第2戦は悔やみきれない試合となってしまった。終始接戦となった展開の末に試合終了残り47秒の時点で101-96と5点リードをつけていたシクサーズ。しかし、その直後にジェイレン・ブランソン、ドンテ・ディビンチェンゾから立て続けに3ポイントを浴びてしまい、最終スコア101-104の逆転負けを喫してしまった。
ディビンチェンゾの逆転3ポイントは、表向きにはタイリース・マクシーのファンブルによるターンオーバーがきっかけとなっている。しかし、試合の映像を見ると、マクシーがターンオーバーを起こす前に、ニック・ナースヘッドコーチが審判にタイムアウトを要求していることがわかる。さらに、マクシーはインバウンドパスを受ける際とファンブルを起こす直前にニックスの選手から2度のファウルを受けているようにも見える。それにも関わらず試合が続行し、結果として逆転負けを許してしまったシクサーズサイドは、オフィシャルに対し激しいフラストレーションを露わにした。
エンビードは試合直後のロッカールームインタビューで下を向き顔を覆ったまま「受け入れられない」とコメントし、次のように続けた。
「タイリースは何度もファウルを受けている。マイアミとの試合(プレーイン・トーナメント)でも同じことがあった。こんな形で試合に負けるなんて、特にプレーオフではあってはならない。僕を含めたコート上の選手も全員、ニックやベンチにいるメンバーもみんながタイムアウトを要求していた。その要求は通らなかった。でも、タイムアウトは忘れたっていい。ファウルが何度もあったんだ。これは到底容認できない」
翌日にあたる24日、NBAはこの試合に関する“ラスト2ミニッツ・レポート”をリリースした。当レポートは、第4クォーター残り2分間の時点で3点差以内だった試合において、審判のジャッジが適正だったかをリーグが分析・評価するものである。シクサーズ側が不満を爆発させているマクシーのターンオーバー周辺のプレーにおいて、レポートでは2つのプレーが「インコレクト・ノンコール(本来はコールされるべきであったもの)」と評価されている。
1つは、シクサーズがインバウンドパスを出す際にブランソンがマクシーのユニフォームを引っ張ったとするもの。もう1つは、ジョシュ・ハートがマクシーに接触し、その結果マクシーが転倒したとするもの。いずれも、レポートでは本来はファールがコールされるべきであったとしている。さらに、レポートの中でタイムアウトの要求についても触れられており、「タイムアウトは要求されたが、認識されなかったもしくは許可されなかった」とコメントされた。
レポートの結果がどうであったにせよ、試合結果が覆ることはないだろう。また、終わった試合で「あの時もし」と考えを巡らせるよりも、選手たちは次の試合にフォーカスすべきかも知れない。しかし、流れを止めずに随時正確なジャッジを下すことの難しさは計り知れないものの、激しさを増すプレーオフの戦いでこそ極力正確なジャッジを求めたいものである。
シクサーズとニックスの第3戦は、26日8時30分ティップオフ予定。
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