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『B MY HERO!』
隻腕の高校生バスケットボールプレーヤー、ハンセル・エマニュエルをご存知だろうか。
ドミニカ共和国出身のエマニュエルは、首都サントドミンゴで最も貧しい地域のひとつ、ロスミナで育った。『CBS Sports』によると、エマニュエルは壁の崩壊により約2時間、左腕が瓦礫の下敷きになり、その後腕を切断した。しかし、2020年にアメリカ・フロリダ州に移住し、キシミーに位置するライフ・クリスチャン・アカデミーに入学すると、苦労の末に体得したであろう洗練されたバスケットスキルと運動神経を駆使し、コート上では健常者を凌ぐパフォーマンスを披露。
アマチュアアスレティックユニオン(AAU)ではSOH Eliteに在籍しており、ウインドミル、豪快なブロックショット、相手を翻弄する巧みなムービングからのアシストと、ハイライトを量産。今年5月には全米屈指のスター選手であるマイキー・ウィリアムスとの対戦も話題になった。
そのエマニュエルが、NCAAのディビジョン1に所属するテネシー州立大学からオファーを受け取ったことを報告した。
「テネシー州立大学のタイガースからD1初のオファーを受けたことを光栄に思います。ブライアン・ペニー・コリンズ監督、そしてタイガースの皆さん、僕の才能を信じてくれてありがとう」
テネシー州立大学は、2020-21年シーズンを4勝19敗と振るわない結果でフィニッシュ。2019-20シーズンを18勝15敗で勝ち越していたことを考えると、来シーズンは再起を図りたいところだ。
新シーズンのテネシー・タイガースには、ジョージア大学よりClass of 2019で「247Sports」のトップ100に名を連ねるクリスティアン・ブラウンの編入、そしてヒップホップ界でその名を知らぬ者はいないマスター・Pの息子であるハーシー・ミラーの進学が発表されている。
エマニュエルは、31得点、13リバウンド、5アシスト、4ブロックというモンスタースタッツをはじめ、フロリダの大会「オーランド・ウィンター・ショーダウン」では、25得点11リバウンドという平均ダブルダブルをマークするなど、その実力は折り紙付き。
果たして、NBA入りを目指す強者たちがしのぎを削るNCAAで、隻手のボーラーはどのような活躍を披露してくれるのだろうか。今後の活躍に期待と注目が集まる。
文=Meiji