2024.04.22

女子バスケの新星が異例の大型契約か…世界最注目のクラーク「ナイキと8年43億円」と現地報道

WNBAドラフトで全体1位指名を受けたクラーク[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

■ 数々の記録を残したバスケ界のニュースター

 ケイトリン・クラークの第2章が幕を開けようとしている。その華々しいWNBAキャリアへの第一歩を目前に控え、注目が集まるのは、女子バスケ史上最高のタレントである彼女のシューズ契約の行方だ。

 その激しい争奪戦を制し、インディアナ・フィーバーが1位指名したポイントガードの心を射止めたのは、大学時代から関係性を築いてきたナイキのようだ。『The Wall Street Journal』によると、クラークとナイキの契約は8年2800万ドル(約43億3000万円)という記録的な内容になり、シグネチャーシューズも用意されることになるという。

 今後、バスケットボール界で幾度となくその名前と姿を目にするであろうクラークについて、改めて彼女のプロフィールと偉業を振り返っておこう。

 クラークは、富永啓生が過ごしたネブラスカ州の隣、アメリカ中部のアイオワ州ウェストデモイン出身のプレーヤー。ダウリング・カトリック高校時代からその実力は高く評価されており、ESPNでは全米で5位にランクインし、高校のラストイヤーにあたる2020年には、アイオワ州のミス・バスケットボールやマクドナルド・オールアメリカンに選出された。

 高校卒業後も地元のアイオワ大学に進学したクラークは、ポイントガードの育成に定評のあるリサ・ブルーダー監督の下でその才能が開花。2度のネイスミス・カレッジ最優秀選手賞、2度のAP通信カレッジバスケットボール最優秀選手賞 、4度の全米バスケットボールライター協会オールアメリカン選出、3度のNCAA得点王、3度のアシスト王など、これらの称号は4年間で獲得したアワードの一部に過ぎない。また、大学通算3951得点は、NCAAディビジョン1の男女通算最多得点記録であるほか、カレッジ最後の年にマークした1シーズン201本の3ポイント成功は、ステフィン・カリーゴールデンステイト・ウォリアーズ)が保持していた記録を塗り替えている。

■ 各社が次世代スターを巡って争奪戦

全米が注目したバスケ界の“ニュースター”クラーク[写真]=Getty Images

 紛れもなく、クラークはNCAA史上、最高峰の選手としてその歴史に名を残した。『The Wall Street Journal』曰く、そんなクラークにはナイキのほか、アディダスプーマアンダーアーマーなどが2月中旬からアプローチを開始し、代理人であるエクセル・スポーツ・マネジメントは年間契約300万ドル(約4億6000万円)を下限に設定していたようだ。

 プーマはWNBAのリングを2つ所持し、2度のMVP受賞歴を誇るリーグのトップスター、ブリアンナ・スチュワートにシグネチャーを提供していることもあり、年間300万ドルに難色を示し、交渉から撤退。また、アディダスアイオワ大学でマーケティングを専攻していたクラークのプロジェクトへの姿勢やプランニングに大変な感銘を受けたものの、4年600万ドル(約9億3000万円)の提示額で合意には至らなかった。一方、『The Athletic』によると、アンダーアーマーからはクラークが尊敬するカリーも交渉に参加し、4年間1600万ドル(約24億7000万円)を用意。単年換算でこそナイキを上回ったものの、それでも8年というナイキの期待の表れには一歩及ばず、クラークは慣れ親しんだナイキと再び歩むことを決めたようだ。

 8年契約は、パリ大会、ロサンゼルス大会、ブリスベン大会という3度のオリンピックをまたぐものであり、ナイキは国際舞台でのクラークの活躍も見越していると推測される。

 ナイキには同じく大型契約を締結し、今年のNBAオールスターでカリーと3ポイントコンテストを戦ったサブリナ・イオネスクも在籍しており、今後は一層女子スポーツのカテゴリーで大きなシェアを獲得していくことが予想される。

 インディアナ・フィーバーは、昨年のWNBAを10位でフィニッシュ。しかし、2018年のWNBAドラフトで全体2位指名を受けたケルシー・ミッチェルは、昨シーズン平均18.2得点をマークしたほか、同じく2022年に2位指名を受けたナリッサ・スミスが平均15.5得点9.2リバウンド、2023年の1位指名であり、新人王を獲得したアリーヤー・ボストンが14.5得点8.4リバウンドを記録するなど、チームには有望な若手が揃っており、ポテンシャルは未知数。フィーバーは、クラークの加入によりインサイドとアウトサイドのバランスが格段に向上し、シューター気質のクラークにとって強力なリバウンダーがゴール下で待ち構えているのは心強いに違いない。

 2024-25シーズンは、フィーバーがオクラホマシティ・サンダーのような台風の目になるだろう。その中心には間違いなく、女子バスケを変える存在のクラークがいるはずだ。

文=Meiji

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