2023.09.10

初出場ながら5位と大健闘のラトビア…最終戦では23歳司令塔がバスケW杯新記録17アシストと躍動

ワールドカップのアシスト記録を樹立したアルトゥルス・ザガース[写真]=fiba.basketball
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 9月9日、フィリピンのモール・オブ・アジア・アリーナで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の5位決定戦が行われ、ラトビア代表(FIBAランキング29位)とリトアニア代表(同8位)が対戦した。

 試合は序盤からラトビアが猛攻を仕掛け、98-63でリトアニアに圧勝。最大の武器である3ポイントシュートの成功率は50パーセント(16/32本)を記録し、ワールドカップ初出場ながら5位で大会を終えた。

 この試合ではアルトゥルス・ザガースが、アシストのワールドカップ新記録を樹立した。23歳の司令塔は前半だけで10アシストを記録すると、わずか26分24秒のプレータイムで17アシストをマーク。1994年大会のトニー・クーコッチ(当時クロアチア代表)、今大会のカーリック・ジョーンズ(南スーダン代表)が挙げた15アシストを上回り、アシストがボックススコアに記録されるようになった1994年以来、1試合での最多記録となった。

 さらに、一度もボールをターンオーバーせずに試合を12アシスト以上で終えた初の選手となるなど、歴史に名を刻んだザガースについて、ラトビアのキャプテンを務めるダービス・ベルターンス(オクラホマシティ・サンダー)は、「信じられないことだ。彼はこの試合の前から素晴らしいパフォーマンスを見せていたが、我々にとって大会終了後の最高のサプライズだ。彼がアシスト記録でフィニッシュしたことをとてもうれしく思う」と、その活躍ぶりを称えた。

NBAではラトビアン・レーザーの愛称でも知られるなど、3ポイントが得意なベルターンス[写真]=fiba.basketball

 昨シーズンはリトアニアのリーグでプレーしたザガースだが、今大会にはフリーエージェントの状態で臨んでいた。以前に「私たちは賭けに出た。私と代理人はここで良いパフォーマンスをして、その後もっと良い契約が得られるだろうと話し合った」と語った若武者は、全8試合の出場で平均12.4得点7.4アシストと堂々たるスタッツを残しており、大一番となったギャンブルは報われることになりそうだ。

 エースのクリスタプス・ポルジンギス(ボストン・セルティックス)がケガにより大会直前で欠場を発表するなど、万全ではない状況で初のワールドカップに臨んだラトビア。しかし、大会を振り返れば、1次ラウンドで優勝候補だったフランス代表(同5位)に勝利し、2次ラウンドでは欧州王者で前回覇者のスペイン代表(同1位)を撃破。決勝に進出したドイツ代表(同11位)に準々決勝で惜敗したものの、順位決定戦ではイタリア(同10位)とリトアニアという強豪も退けて5位(6勝2敗)でフィニッシュと、歴史的な快進撃でファンの記憶に刻まれたチームとなった。

強豪国を次々と撃破し、多くのバスケットボールファンを熱狂させたラトビア代表[写真]=fiba.basketball

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