2019.07.20

インターハイ男子注目校(4)川内(鹿児島)「エース頼みからの脱却、全員バスケで台風の目となるか」

地元・鹿児島でのインターハイを迎える川内高校
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7月28日から8月2日にかけて鹿児島県で行われる「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。バスケットボールキングでは、“令和初”の高校チャンピオンを決する夏の全国大会を前に、今大会で見るべき注目チームをピックアップした。

■男子注目チーム(4)川内高校(鹿児島県)

 2019年のインターハイの舞台は鹿児島県。県予選を1位突破して地元開催を迎える川内高校には、野口侑真(3年)という大会屈指の点取り屋がいる。

 1年生の時からエースとして活躍する野口は、190センチの長身に加えスピードとフィジカルを兼ねそろえるスモールフォワード。世代別の日本代表候補にも名を連ねる逸材だ。チームの得点源はその野口になるのだが、「野口がマークされたら他のところにチャンスが生まれます。周りの子たちも能力がないわけではないですし、十分やれると思っています」と田中俊一コーチが言うように、今年の川内は決して“エース頼み”のチームではない。

「今年はエースの侑真を中心に崩せたらいいんですけど、侑真に任せてばっかりになってしまうのはいけないので、全員が点を取れるチームにしたいです。新人戦の頃は、僕も『大事な場面は侑真』だと思っていたんですけど、今は自分たちがもっと点数を取らないといけないということを意識しています」

 そう語るのはキャプテンを務める川畑颯太郎。川畑は野口とともに下級生の頃からチームの主力を担い、180センチの西平成近はインサイドで懸命に体を張る。さらには、「機動力があり、バスケットもIQ高い」(田中コーチ)馬場千尋(いずれも3年)がシックスマンとして控える。6月に行われた「令和元年度 第72回全九州高等学校バスケットボール競技大会」では、初戦で福岡大学附属大濠高校(福岡県)に敗れたしたものの、コート上の5人が積極果敢にゴールへアタックする姿を見せた。

 2年前のインターハイでは、33年ぶりとなるベスト8進出を果たした同校。それを超える全国ベスト4に進むには、「やっぱり身長が小さいのでいかにしてリバウンドを取られないようなディフェンスをするかと、ロースコアのバスケットをしなきゃいけない」と田中コーチ。

「やっぱり地元の期待が大きいですし、(試合会場が)サンアリーナせんだいなので本当の地元なんです。全国で1つ勝つことの大変さは、もう肌でしみじみ感じてますので、まず1つ勝てば波に乗れるのではないかと思っています」

 待ちに待った地元・川内でのインターハイ。今大会は川内高校が台風の目になるかもしれない。

写真・文=小沼克年

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