2018.06.29
本格的な冬の到来を感じさせる11月24日、B1リーグ第9節が行われ、西地区1位のシーホース三河はホームに同地区3位のエヴェッサ大阪を迎えた。
三河は今季初のナイター戦で「がんばる大人にカンパーイ」をテーマに、童心に返って楽しめる縁日企画や“大人だらけの風船運び対決”など趣向を凝らしたイベントを実施。また、この日から“The Beginning of Blue Legend”のデザインコンセプトの元、アリーナ場内各所の装飾をチームカラーの「ブルー」に統一するなど、ホームアリーナの大幅なイメージチェンジを行った。
チーム一丸となったエンターテイメント性の追求や、新たな興味関心層への積極的なアプローチには、今年がBリーグ元年であることを改めて思い起こさせる。
試合は、19時ティップオフ。両チーム最初の得点は大阪、橋本拓哉の3ポイントだった。すかさず、三河の司令塔、橋本竜馬が返し、激しい点の取り合いの幕が開けた。
三河は、大阪の速いパス回しにディフェンスローテーションが間に合わず、相馬卓弥、橋本らに第1クォーターだけで、計6本の3ポイントを許す。追いかける展開となった三河はアイザック・バッツがゴール下を支配し、このクォーターだけでオフェンスリバウンド4本を含む9リバウンドを記録。バッツの奮闘でつかんだセカンドチャンスを金丸晃輔、桜木ジェイアールがものにするも、最初の10分で24-30と6点のビハインドを背負った。
第2クォーター、持ち前の激しいディフェスでペースをつかみたい三河だが、このクォーターも大阪ジョシュ・ハレルソンの得点からスタート。三河はギャビン・エドワーズの力強いプレーと、長谷川智也の3ポイントを武器に対抗し、ディフェンスでも厳しいチェックから相手のタフショットを誘発するものの、この難しいシュートをことごく沈められ、試合は一進一退の展開に。ここでも激しい点の取り合いとなり、46-47で前半を終了した。
試合の流れは第3クォーターに入り一転する。三河はスタートメンバーから控えの選手まで染みわたる強度の高いディフェンスでペースをつかみ、大阪のテンポの良いパス回しを止めると、エドワーズのカットインで逆転。比江島慎の3ポイントで完全にペースを握り、ディフェンスでも大阪を完全に抑えこむ。三河は握ったペースをわたすことなく5分間で17-0と一気に突き放し、前半の接戦がうそのようにこのクォーターで80-60の20点差とした。
第4クォーターに入っても攻撃の手を緩めず、長谷川の連続3ポイントで会場を沸かせ、“職人”バッツは手堅くリバウンドを取り続ける。終わってみれば、三河は5人が2ケタ得点をマークし、104-78の完勝。バッツが11得点18リバウンド、エドワーズが18得点12リバウンドの“ダブルダブル”。普段はダブルエースの比江島、金丸の陰に隠れることも多い、シックスマンの長谷川が3ポイントを9本中7本成功させ、チームトップの25得点を挙げるなど、層の厚さを見せつけた。
三河は今季初の100点ゲームでシーズン2度目の5連勝を飾り、地区首位を独走。平日の夜に「がんばる大人にカンパーイ」をテーマに集まったブースターへ“勝利”という最高の美酒をプレゼントした。
文=村上成
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