2018.02.25
現在の日本のサッカー界を代表するFW大迫勇也(ケルン)。日本のバスケットボール界を代表するPG篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)。
それぞれの競技で最前線を走るアスリート2人の対談がこの度実現し、互いの競技の印象や相違点、そして両者がそろって「大切にしている」と話す足元のフィット感を実現しているアシックスブランドの魅力についても語ってもらった。
進行=村上成(バスケットボールキング編集部)、小松春生(サッカーキング編集部)
―――お二人は以前、アシックスのイベントでご一緒されていましたが、お話しをされるのは今回が初めてということで、ぜひこの機会に友好を深めていただければと思います。篠山選手はサッカーをご覧になりますか?
篠山 Jリーグをくまなくチェックするまで見ることはできていませんけど、日本代表の試合は必ず見ていますし、好きです。
―――大迫選手はバスケの経験はありますか?
大迫 小学校の体育の時間にやったくらいですね。手を使う競技は野球を少しやったかな、くらいで、サッカーばかりしていましたから。でも、『スラムダンク』は読んでいましたよ。
―――篠山選手は足を使う競技は?
篠山 大迫選手と同じように体育や休み時間にクラスメイトとやることはありましたね。でも、本当に足はダメで、すごいと思います。サッカーはいつから始めたんですか?
大迫 3歳ですね。兄貴がやっていたので。こけてばっかりでしたけど(笑)。
篠山 3歳はすごいですね! 僕も兄と姉がバスケをやっていたので、気付いた時には家にボールがあって、それで遊んだりはしていました。僕も3歳くらいからやっていることにしてください(笑)。
―――篠山選手は練習の合間などにフットサルをやることもあるとお聞きしました。
篠山 遊び程度ですね。あとは合宿の時、アクティブレストのためにフットサルをやることも結構ありますね。周囲にもサッカー好きは多いですし、根付いているなと感じます。
―――大迫選手がプレーするドイツはバスケットボールも盛んです。
大迫 試合を見に行ったりすることはないですね。ヨーロッパ全体はやはりサッカーで、テレビをつけてもサッカー。身を置いている立場としてはありがたいですね。あ、キャンプでアメリカに行った時は見に行きましたよ。エンターテイメントとしてもすごくて、びっくりしました。新鮮で、すごく楽しかったです。ハーフタイムの時にコートに入れてもらって、3ポイント対決もしました。みんなめっちゃデカかったし(笑)。サッカーも身体能力は関係ありますけど、相手があれだけ大きいと、バスケはもっと関係あるんだろうなって思いますよね。
篠山 いやぁ、僕は残念ながら身体能力があまりないので(笑)。相当頭を使わないと生き残っていけません。特にバスケはゴールが上にあるので、身長の高さが有利に直結する競技で、そこが難しさでもあります。
―――試合への臨み方についておうかがいします。Bリーグの試合のペースはいかがでしょう。
篠山 毎週土日です。たまにミッドウイークに試合がありますが、だいたい週に2試合で、基本が連戦です。
大迫 僕は今季、ヨーロッパリーグがあったので、中2~3日の試合で移動が入ると大変でした。木曜日に試合をして、金曜日の朝7時にクラブハウスに着いて、1日調整して日曜日に試合なので。
篠山 時差はあるんですか?
大迫 ヨーロッパはあっても1~2時間です。ただ、代表戦の後は日本から戻るのでしんどいですね。
篠山 僕らも今、代表戦がホームアンドアウェーに変わったので移動があって、この前もオーストラリアに行って、戻ってすぐに試合で。初めての経験だったから、体が全然動かないんです。でも、サッカーの代表選手は海外から試合直前に帰国して試合をしてすぐ帰っていく。飛行機の中での対策があったら、教えてほしいです。
大迫 なるべく飛行機の中では「寝るな」と言われます。でも考え過ぎないのが一番ですね。「もうしょうがない」と思うしかないです(笑)。
―――試合に向けた調整法はありますか?
篠山 特別なことはありません。土日に試合をして月曜休み、火曜日にウエイトトレーニングと決まっているので。試合の2日前はトレーニングでも自主練でも追い込んで、前日は落としてマッサージを受けてというルーティンですね。
―――練習時間はいかがでしょう。
大迫 午前中に試合時間と同じ90分くらいやることが基本です。あと、選手に映像で説明する時間が長くて、それでみんなが理解していくということが多いです。
篠山 バスケは午後、90分から2時間弱くらいやるので、試合時間よりも長いですね。自分たちのセットプレーを全部確認しますし、次の対戦相手のセットプレーも守り方を考えるのですべて確認します。サッカーと比べて、バスケはセットプレーが練習通りにいくことが多いので、だからこそ相手のセットプレー対策に時間をかけて練習で覚えていきます。
―――大迫選手はセンターフォワードとして試合を決める、篠山選手はポイントガードとして試合を作る役目が多く、それぞれ試合の中での役割は異なります。出し手から受け手に対して、受け手から出し手に対して、注意することは何でしょう。
篠山 優しいパスが好きな選手もいれば、強めに出した方がシュートに持っていきやすい選手もいます。右肩側に出すのか、左肩側に出すのかでも意味合いがまったく違うので、角度や強さに気を遣っていますね。
―――大迫選手が出し手に一番求めることは何でしょう?
大迫 フリーでボールを受けることがまずないので、ボールが来てくれれば(笑)。そこからは自分次第なので。一番前にいる選手として、そうでないとダメだと思っています。でも、利き足や強さまで気遣ってくれる選手がいると助かります。困った時や苦しい時に精神的な強さを持っている選手はすごく頼りになりますし、そういう人がチームのエースだと思います。なので、そういう気持ちを持っている人だからこそ、僕が気を遣ってパスを出すこともあります。
―――信頼が一番大切だと。
大迫 そうですね。パスをもらっても、ボールを相手に取られたら、次からパスが来なくなりますから。海外はあからさまで、「こいつに出したら取られちゃうな」と周りに思われた選手はボールを触る回数が本当に減ります。その分、責任感もすごく生まれますよね。
―――篠山選手は海外でのプレーを意識されたことはありますか?
篠山 ないですね。海外に出ていく選手は田臥勇太さんくらいでしたし、子どもの時からイメージがあまりありませんでした。やっと今、バスケも若い子たちが海外に出てやっているので、これからかなと。
大迫 アメリカですか?
篠山 アメリカの高校に進学したり、日本の高校からアメリカの大学に進学する選手が増えました。
大迫 すごい。サッカーの場合、高校くらいから行ってしまう子は、なかなかいないですね。そういう選手が出てきてほしいですけど、現実的には厳しいかなって。選手のタイプによるのでわかりませんし、うまくいった選手はそのやり方が「成功だった」と周囲に言われますけど、そのやり方がみんなにとって正しいわけでもないですし。
―――お二人は日本代表としてもプレーされていますが、国を代表することで意識が変わったことはありますか?
篠山 僕はバスケを始めた時から日本代表を意識していて、なかなかA代表に入れない時期もありましたけど、その分入りたいという思いが強くなりました。代表は大学生くらいから呼ばれるようになり、24歳くらいから定着するのが普通です。でも僕は27歳で初めて呼ばれたので、ハングリーさはあると思います。そういうケースだからこそ、結果を出してやりたいという気持ちは強いです。
大迫 成長につながるのはドイツでやって、そこで結果を出すことが一番だと思っています。そこで結果を出せれば自然とW杯にもつながると思うし、ドイツで結果を出すことに集中しています。
―――日本代表と言った時、競技はサッカーを浮かべる方が多いと思います。篠山選手はサッカー日本代表はどう見られていますか?
篠山 まず、日本の国民の皆さんからの認知度が違いますね。W杯も常連というレベルまで来ていて、人気も実力もバスケがこれから目指すべき形になっていると思います。すごくいい刺激になりますし、そういう意味も含めてサッカーの代表戦は必ず見るようにしています。
―――他の競技、さらに言えば日本人を代表するということはプレッシャーになりますか?
大迫 もちろんプレッシャーはありますけど、プレッシャーとの向き合い方も人それぞれです。僕は自分にわざとプレッシャーをかけますね。「これができなかったら終わりだ」という気持ちで、特に代表の時は戦っています。
―――バスケは代表戦ですと、例えばフィリピンでの予選では5万5000人くらいが集まると言われています。
大迫 5万5000人! 嫌だわ(笑)。楽な戦いにはならないでしょうね。
―――大迫選手は普段のリーグ戦でも何万というアウェーサポーターに囲まれて試合をしています。
大迫 サッカーは全く違うと思いますよ。体育館に5万5000人の観客がいたら相当嫌だと思います。僕の場合、スタジアムでのアウェー戦は慣れたので大丈夫です。
―――そのアウェーの観客を黙らせるプレーをしたいという気持ちはありますか?
大迫 サッカーの場合、何万人と入っているスタジアムで相手がうまくいかなくなると、サポーターが味方に対してブーイングするようになるんです。相手にはマイナスばかりなので、黙らせたいというより、チャンスになると思っています。
篠山 僕はBリーグにおいても、アウェーだから嫌というのはなく、黙らせたいと言うか、静まると気持ち良さに変わります。ホームで応援してくれる皆さんの前でやることは力になる一方で、アウェーでもそういったことがモチベーションになります。でも、大迫選手の話を聞いて、5万5000人の前に立ってみないとわからないだろうなって思いましたね。未知の経験であるが故の考え方なのかなと。
―――せっかくの機会なので、お互いに聞いてみたいことはありますか?
大迫 初歩的な質問ですけど、休みは何をしているんですか?
篠山 家族と過ごしています。子どもが生まれたばかりで今、4カ月なんです。男の子で。
大迫 うちは3歳の女の子で。男の子いいですね。
篠山 でも、生まれてから周りの女の子を見ると可愛いなって思いますよ(笑)。
大迫 無い物ねだりですよね。ドイツは日曜日、お店が全部閉まっていて、家族の時間っていう感じですね。よく散歩に行ったりするので、家族連れには特にいいですよ。バスケはしてほしいですか?
篠山 やりたいって言ったら、ですね。やってくれたら嬉しいですけど、自分がやってきた競技なので、下手かどうかもわかるから、もし下手だったら悲しさもありますよね(笑)。だったら、全然知らない競技を一から一緒に応援できたらいいかなって思います。
―――ここからはお二人の足元事情をうかがいます。一番大切にしていることを教えてください。
篠山 コートを行ったり来たりの繰り返しで、足首の負担が大きいので、しっかり足首までカバーしてくれるホールド感を大事にしています。僕の場合、足首周りの高さがないと炎症を起こしやすいので、高さを出したものを履くようにしています。
大迫 僕は、履いて足が痛くならないことと滑らないことです。ドイツはピッチが悪いので、気を遣っていますね。ソールのポイントは固定と取り替えのミックスです。サッカーの場合、ピッチの状態で全く変わります。ポイントも固定を履くか、取り替えを履くか。さらに取り替えにも長さがあるので、そこも含めて考えます。あとは屋外なので、天候も重要です。ドイツで雨の中でやると寒いし、痛いし、滑るし(苦笑)。
篠山 バスケだと、スポーツコートとかもありますし、アリーナやコートの素材によっても滑りやすさが違いますね。感覚として「全然違うな」とすぐ気付きます。天候に左右されることはないですが(笑)。
―――篠山選手はプロ入り前からアシックスをずっと履いているのでしょうか?
篠山 はい。自分の足に合ったものを理由に選んでいて、機能としてアシックスが一番足に合うなって思っています。総合的にもいいですし、ホールド感やグリップ性も抜群に優れていると思います。
大迫 日本人の足に合っていますし、ドイツでもチームメイトや知り合いの間でアシックスの評価が高くて「ランシューを送ってくれ」とよく頼まれます。ヨーロッパではアシックスのランニングシューズはすごく人気で、「履きやすい」と。
―――スパイクで言えば『DS LIGHT®』シリーズが誕生して今年で20周年を迎えます。“継続は力なり”は実生活において感じられますか?
篠山 どのスポーツにも当てはまりますが、1日で上手になれることはないので、日々の努力や考えること、継続していくことで階段を登っていけるものだと思います。継続があって、今の自分があると思いますし、大事なことです。小学校の時は「辞めたい」といつも言っていたんですけど、言う度にオカンが新しいバッシュを買ってくれたり、練習着を買ってくれたので、つなぎとめられました(笑)。でも続けていて良かったです。
大迫 僕は辞めたいと思ったことはないですね。3歳の頃から始めて、いつも当たり前にあったものなので。学校に行くのも「サッカーができるから行く」感じでした。毎日サッカーをしているので、日常になっていますけど、幸せなことですよね。
―――2018年、スパイクでは2月に『DS LIGHT® 3』、バッシュでは3月に『BLAZE NOVA®』が発売されます。こちらが実際の物ですが、それぞれ印象はいかがですか?
大迫 スパイクは履き心地を大切にしていますが、柔らかそうだし履きやすそうですね。僕にとっても柔らかさは大事な要素なので。
篠山 フィット感が出るようになっていますね。デザインもオシャレな感じでいいですね。スタイリッシュなモデルも出始めていて、すごくいいと思います。
―――最後に2018年に向けての目標、抱負を教えてください。
篠山 クラブとしては昨シーズン、Bリーグで準優勝に終わってしまったので、今年こそ優勝したいですし、日本一のポイントガードと認めてもらえるよう、さらに進化して2018年を飛躍の年にしたいです。日本代表でも、今はW杯予選が行われている途中なので、代表に呼ばれるよう、そして呼ばれたからには結果を出せるよう、頑張りたいと思います。日本のバスケ界もこれから、という段階なので、代表の活躍が人気を左右すると思うので、しっかりとやっていきたいです。
大迫 2018年はサッカー選手にとって大事な1年になりますし、個人としてもサッカー人生の中で一番大事な年です。その中でしっかりと結果を出すことができれば、今後もまたステップアップできると思いますし、自分の経験にもなるので、まずは一戦一戦しっかりと結果だけを求めて頑張ります。
■モノソック構造
アッパーにモノソック構造を採用し、足へのフィット感 を追求。また、モノソック前足部をメッシュ素材 にすることで通気性も確保。
■ソール
ミッドソール厚を従来のアシックスバスケットボールシューズよりも薄く設計することで柔軟に足の動きに追随。プレーヤーの前後左右、縦横無尽な動きへの対応を追及。かかと部にはGELを配置し、衝撃緩衝性を追及。
■商品情報
Size:24.0~30.0/31.0/32.0cm
重量:約400g/28.0cm
2018年3月発売予定
¥16,000
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