2018.04.15

質の高いバスケットを継続した川崎ブレイブサンダースが圧勝を収めた、ゲーム1

勝敗を分けたポイントは「リバウンド」、「オン1での日本人インサイドプレーヤー」、「1on1」の3つ[写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 4月14日、豊橋市総合体育館で行われた三遠ネオフェニックス川崎ブレイブサンダースのレッドダービー。「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」に向けて中地区2位争いを演じている三遠。チャンピオンシップ進出決定はしたが、東地区の激しい首位争いの真っ最中の川崎。両チームともに立場は違えど、「絶対に負けられない戦い」というキーワードの中での一戦となった。

 このゲームの勝敗を分けたポイントは「リバウンド」、「オンザコート1での日本人インサイドプレーヤー」、「1on1での強さ」の3つだった。

 両チームともに序盤の1クォーターはディフェンスのインテンシティが非常に高く、激しいプレッシャーを掛け続けた。またオフェンスでは三遠の持ち味でもあるテンポの速い展開が見られれば、川崎もニック・ファジーカスを中心にハーフコートでの展開の巧さを見せつけ、一進一退の攻防を繰り広げたのであった。まずは18-19のスコアで終える。

 ところが2クォーターに入ると、勝敗を分けたポイントで圧倒した川崎が一気に三遠を突き放して行く。その中で輝きを放ったのが、鎌田裕也である。出場した約6分間で6得点2オフェンスリバウンドのスタッツとしての結果を残し、更には相手のキーマンでもある日本代表の太田敦也を攻守両面で仕事を一切させなかったのである。「自分のやるべき仕事をしただけです」と謙虚にコメントを残してくれたが、このゲームのMVPは彼と言っていい。

 一方の三遠は、太田のところで起点が作れずにいると徐々にオフェンスリズムが重くなり、加えて大黒柱のロバート・ドジャーも完璧に抑えられ、難しいオフェンスが続いてしまった。ここで24-37と一気に2ケタの点差に広がる。この時間帯の川崎のチームリバウンド数はオフェンスリバウンド7本を含む18本と、相手の5本を圧倒した。

第2クォーターで輝きを放った鎌田裕也[写真]=鳴神富一

 ハーフタイムを挟んでも川崎が攻守両面で圧倒して行く。ここで活躍したのは司令塔、篠山竜青。ポイントでもある1on1での強さを発揮し、ドライブで相手ディフェンスを次々と切り裂きながらリズムをつかみ、10得点を獲得。三遠のチームディフェンスは悪くなかったが、1on1で簡単にドライブされてしまう場面が多く、それが彼のスコアにつながったのである。これに関しては、三遠の藤田弘輝ヘッドコーチも川嶋勇人もゲーム後に口をそろえて「相手に1on1の場面で簡単にリングに向かうドライブをさせてしまった」を反省していた。38-61とスコアがさらに広がると、その後も流れは変わらず、最終的に54-77と23点差をつけて川崎が圧勝。

ウェンデル・ホワイトは今季初の無得点に抑えこめれた[写真]=鳴神富一

 試合後、北卓也HCは「全体的に満足のいくゲームだった」と納得のいくコメントを残したとおり、質の高いチームバスケットを展開した川崎。三遠は1on1で負けないディフェンスができれば、自分たちの持ち味である、早いテンポでのバスケットを展開できるであろう。彼らは大敗した翌日は強いというデータもある。ゲーム2はさらに面白い展開になるに違いない。

文=鳴神富一

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