2018.05.08

生命線の3Pを武器に番狂わせを狙う、最後の1枠を獲得した名古屋ダイヤモンドドルフィンズ/チャンピオンシップ特集

中地区2位でチャンピオンシップに進出した名古屋D[写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

5月12日から、レギュラーシーズンを勝ち抜いた8クラブによるBリーグ王座を懸けた激闘、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」が幕を開ける。そこでバスケットボールキングでは、よりチャンピオンシップを楽しんでもらえるよう、さまざまな企画を用意。ここでは同メディアで活動してくれているライター陣とともに、今シーズンにおける各クラブの振り返り、チャンピオンシップに向けての展望を紹介する。

大混戦の中地区2位争いを制し初の舞台へ、持ち前の攻撃力を発揮して勢いに乗れるか

「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」の最後の1枠を獲得したのが名古屋ダイヤモンドドルフィンズだ。名古屋Dが所属する中地区はシーホース三河がリーグ最速で優勝を決めたものの、2位の座がなかなか決まらなかった。4月に入っても名古屋Dを含め、アルビレックス新潟BB、三遠ネオフェニックス富山グラウジーズによる激しい順位争いが繰り広げられ、三遠、富山が脱落していく中、第31節で新潟が敗れたことにより、名古屋Dが初のチャンピオンシップ進出を果たした。

 名古屋Dは昨シーズン、チャンピオンシップ進出を逃した後、梶山真吾アシスタントコーチをヘッドコーチに昇格させることを発表した。日本代表の張本天傑を筆頭に、ポテンシャルの高い中堅、若手の実力を梶山新HCがどのように引き出すかに注目が集まったが、経験不足ゆえか、安定した試合運びがなかなかできず、チャンピオンシップ進出圏内を出入りするシーズンを送ることとなった。それが終盤に差し掛かると、司令塔の笹山貴哉が独り立ちを果たして得点、アシストで勝利に貢献するようになる。さらに、オールラウンダーの中東泰斗やルーキーの安藤周人などもコンスタントにスタッツを残すようになると順位が浮上。チャンピオンシップ進出争いを行うまでになっていた。

チームの主将を務めるのはジャスティン・バーレル[写真]=B.LEAGUE

 また、外国籍選手としてキャプテンを務めたジャスティン・バーレルの存在も忘れることはできない。若手をリードするメンターとしての役割に加え、スタッツの面でも1試合の平均得点が14.8得点、同リバウンドが7.5本とチームナンバーワンの数字を残し、勝利に貢献した。このバーレルを筆頭に体を張ったインサイドプレーを得意とするジェロウム・ティルマン、得点能力の高いクレイグ・ブラッキンズの両外国籍選手もセルフィッシュなプレーを見せずにフォア・ザ・チームに徹するだけに、心強い存在だと言えるだろう。

 名古屋Dが「B.LEAGUE QUARTERFINALS 2017-18」で対戦するのは琉球ゴールデンキングス。今シーズン、琉球との対戦成績は4敗と勝ち星を挙げられなかった。その要因は琉球の堅固なディフェンスを崩せなかったことに他ならない。4試合で名古屋Dが挙げた得点は282、1試合平均で70.2と、全体での平均が79.2だけに、実に9点も低く抑えられていることになる。

 これを打ち破るのはリーグトップの試投数(1501投)を誇った3ポイントシュートだろう。ここで勢いをつけて、持ち前のオフェンス力を発揮できれば、琉球と言えども安穏としていられないはず。シーズン終盤、日本人選手の成長によりチーム力がアップしているだけに、爆発力のあるオフェンスに期待だ。

文=入江美紀雄

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