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国際車いすバスケットボール大会「北九州チャンピオンズカップ」大会2日目の23日、京谷和幸ヘッドコーチ率いる男子U23日本代表は、オーストラリアと対戦した。”超ビッグマン”を擁する相手を、強固なディフェンスでインサイドから締め出し、高さを封じた日本。第1クォーターから試合の主導権を握って57-24で圧勝し、前日のカナダ戦に続いての連勝となった。
しかし、チェアスキルで上回る日本は、オーストラリアの高さを封じるディフェンスに徹した。この日本の好守備に苦戦を強いられたオーストラリアは、仕方なくアウトサイドからシュートを試みるも、なかなかボールはネットに吸い込まれず、得点することができなかった。
一方、日本は相手に合わせることなく、自分たちがすべき”トライ”をし続けた。
第1クォーター、スタメンに抜擢されたのは、チーム最年少18歳の古崎倫太朗と知野光希、19歳の赤石竜我、20歳の鳥海連志と髙柗義伸の5人。2021年のU23世界選手権の対象選手のみでの戦いが課された。
「ディフェンスは非常に良かった」と指揮官が語るように、すでにシニア代表でも活躍する鳥海と赤石を中心に、オーストラリアに付け入る隙を与えず、10分間で相手に許したのはわずか2点。オフェンスでもスピードと巧みなチェアスキルで、”超ビッグマン”たちをかわし、積極的に攻めた日本は、17-2と大量リードを奪った。
また、得点こそなかったもののディフェンスでチームに貢献していたのは知野だった。もともとの強い気持ちに加えて、レベルアップしているチェアスキルで粘り強くコンタクトする知野のディフェンスに、相手も圧倒され、ボールが手につかずにバックパスを犯してしまうシーンも見られた。指揮官も「守備に関しては一番闘っていた」とチーム最年少のプレーを称えた。
後半もさまざまな”トライ”が込められたラインナップが投入されたなか、第3クォーターでは17歳の”超ビッグマン”トーマス・マクヒューに得点を奪われ、2ケタ得点を許した。それでも第4クォーターでは再びディフェンスでリズムを取り戻した日本。終盤には立て続けに24秒バイオレーションを奪うなど、攻撃の芽を摘んだ。
日本は攻守にわたって圧倒的な強さを見せつけ、57-24で快勝した。しかし、指揮官からは「切り替えの速さや細かいチェアスキルはまだまだ。点差が離れる中で、プレーに甘さもあった」と厳しい言葉も。将来有望な選手たちへの期待が大きい分、求めることも高いレベルにあるということの証だ。
大会最終日となる23日には予選リーグ最終戦でドイツと対戦する。無傷の全勝優勝で2大会ぶりの王座奪還を果たす。
文・写真=斎藤寿子