2025.11.28
昨シーズン、B2レギュラーシーズンで57勝3敗とBリーグ史上最高勝率(95.0パーセント)をマークし、ポストシーズンでは3度目の挑戦でB1昇格条件のセミファイナルをついに突破。過去2シーズンに広げて見ても、公式戦113勝7敗(勝率94.2パーセント)という戦績は「B2だから」という枕詞をつけられないほど、圧倒的と言える。
このオフは、これまで成熟させてきたチームで初のB1に挑戦する方針を明確に打ち出す動きを見せた。早々に昨シーズン在籍した11選手、チーム創設時から指揮をとるアンドレ・レマニスヘッドコーチと契約継続を発表。そのうえで、新戦力には島根から帰化選手のエヴァンスルーク、次代の日本代表を担う19歳の渡邉伶音を加え、B1仕様への補強を行った。
チームのスタイルは、激しいプレッシャーディフェンスと速いトランジション。2年連続B2MVPのブランドン・アシュリーとデレク・パードンがチームの中心となるが、日本人では杉本慶、大崎裕太、前田怜緒、木田貴明の4人が1試合平均19〜21分台、3年目の黒川虎徹、B1経験も豊富なキャプテンの大塚裕土と熊谷尚也の3人は14〜15分台とプレータイムをシェアしてきたように、状況に応じてさまざまなユニットが組めるのも特徴だ。もう一人の外国籍選手のトレイ・ポーターは脚力を備えたビッグマンで、エヴァンスもシステムに慣れれば大きな武器となるだろう。
レマニスHCは、2016年リオオリンピックで母国オーストラリアをベスト4に導いた名将だが、「まだ何も始まっていないし、どれだけ勝てるかはやってみないとわからない」と隙はない。また、ベテランの熊谷も「楽しみではありますけど、(B2のときほど)勝てるわけではない。逆に負けが続いたり、苦しい状況にときに自分たちがどうするかがカギ」と冷静に状況を捉えている。
現状、チームとしてのシーズン目標を明確に掲げていないのは、目の前のことを一つひとつこなすスタンスの表れでもある。
果たしてチームカラーのブラックネイビーが、B1のコートをどのように染めていくのか。注目が集まる。

スピードと高さだけでなく、高いバスケIQも特徴のアシュリー。まさにオールラウンダーだ [写真]=B.LEAGUE
B1昇格を果たしたとき、「これまで、血も、涙も、汗も流してきた」と感涙に浸ったように、2022年にチーム加入以降、2年連続でB1昇格を逃した悔しさを胸に、自身に磨きをかけ続けてきた。NCAAの強豪アリゾナ大では1年次から主力選手として活躍。2年次の2月に右足首を大ケガし、手術・リハビリでシーズンを棒に振りながらも復活を遂げるなど、逆境から這い上がってきたことが強さの源になっている。206センチの高さ、速いトランジションに対応できるスピード、内外自在の高いシュート成功率にバスケットIQと、オールラウンドな能力を備えている。年々、外国籍選手のレベルが上がるB1で、チームの勝利のために全力を尽くし、自身の価値を証明する。
文=牧野 豊
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