2025.10.19
「神戸で試合をしたのは中学3年以来ですね。だから知り合いもたくさんいました」
9月23日、神戸ストークス主催のプレシーズンゲーム『KOBE RISING -2025-』が開催され、この大会に出場したアルバルク東京のテーブス海が試合後、取材に応じた。会場は今年4月に開業した“GLION ARENA KOBE”。兵庫県神戸市出身のテーブスにとっては、まさに凱旋試合だった。
「アリーナができることを聞いていて、いつか地元でプレーしたいと思っていました。来シーズンからはプレミアが始まって、神戸との対戦もあると思うので楽しみにしています」
この日は大阪エヴェッサと対戦し、75-68で勝利。試合終了間際には勝利を決定づける3ポイントを沈めてみせた。今年8月の『FIBAアジアカップ2025』での経験は、日々のプレーに確実に活かされているという。
「世界の中でもトップレベルの選手と対戦することで、さまざまな発見がありました。自分は今、どれくらいのレベルにいる選手なのかもわかりました。自分の役割をしっかりとこなす、その場面で日本代表の経験が活きていると思います」

地元に完成したGLION ARENA KOBEでのプレーを楽しみにしていた[写真]=アルバルク東京
「責任感は増していると思いますね。チームリーダーとして引っ張る役割でもありますし、常に責任を持ってプレーしています。また、新しい選手も入ってきた中で、どうチームをまとめていくのか。選手とのコミュニケーションも欠かせない作業です」
テーブスが加入した2023-24、そして2024-25シーズン、A東京はいずれもチャンピオンシップに進出した。しかし、悲願の頂点には届かなかった。優勝を目指すためには、オフェンスを高める必要があると分析する。
「アルバルクがディフェンシブなチームというのは、みなさんイメージとして持っていると思うんです。ただ、チャンピオンシップで勝ち切れなかったのは、得点が伸びなかったからだと考えています。
どういったオフェンスで70点、80点、あるいはそれ以上スコアしていくのか。特に一戦必勝の試合では、得点をどう取るかが大切なので、今の段階からチームとして強く意識しています」

オフェンスへの意識改革をテーブスは話してくれた[写真]=アルバルク東京
「これまではチームの勝率にこだわって、とにかく勝つことを意識してきました。もちろん勝つことは前提なんですが、その上でもっとハイペースなバスケットを展開したいです。
チーム全体が機能したオフェンスの形で、得点を奪っていく。それを実現させるためには、自分も点を取りにいく姿勢を見せたいと思います。自分が常に2ケタ得点をマークできれば、アシストも増えるだろうし、チームの流れも良くなるはずです」
“点を取りにいく姿勢”について、さらに詳しく聞いた。
「自分が(外角から)シュートを打って決めれば、相手のディフェンスが上がってきます。上がってくれば自分の持ち味であるドライブ(するスペース)ができて。さらにディフェンスが寄ってくるから、アシストの機会も生まれやすくなる。とてもシンプルなんですよね」
そして、「ただ、スリーを打たずにアシストだけ狙っても、ディフェンスは下がったままなのでそう簡単にはいかない。点数を狙いにいく姿勢が大切なのは、そういった理由です」と、冷静に分析した。
今シーズンは貪欲に得点を狙い、スコアを重ねる。そんなテーブスの新たな姿が数多く見られることになるだろう。
三度目の正直。目指すはもちろんチャンピオンのみ。生まれ変わろうとしているA東京を、テーブスがけん引していく。
取材・文=西本友
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