2025.09.26

【B1クラブ展望/A東京】「新アリーナで迎える新シーズン…新たなアルバルクで頂点を目指す」

新リーナで3度目の優勝を目指すA東京 [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部

 2018−19シーズンに2連覇を達成して以来、リーグ優勝から遠ざかっているアルバルク東京。過去4シーズンでチャンピオンシップ(以下CS)進出は果たしているものの、ファイナルの舞台に立てておらず、しかもここ2シーズンは連続してクォーターファイナル(以下QF)で敗退した。

 しかし、A東京の強さを疑うことはない。昨シーズンのチームスタッツでは総失点数がリーグで一番少なく、ディフェンスレイティング(100ポゼッションあたりの平均失点)でも1位と伝統の堅いディフェンスは健在だ。キャプテンのザック・バランスキーは「自分たちのアイデンティティを失う必要はない」と揺るぎない。

 では、チームに何が足りないのか。それは、「ここ一本のシュートを決める」「大事な試合を勝ち切る」メンタリティだろう。その面を補強するために獲得したのがブランドン・デイヴィスマーカス・フォスターだ。デイニアス・アドマイティスヘッドコーチは、「2人とも勝利のメンタリティの持ち主。ビッグゲームの経験も豊富」と信頼を置く。

 加えて、司令塔のテーブス海は、「ポゼッションを増やしてオープンな3ポイントシュートを狙うことを心掛けています。早い段階で”オープン3″シチュエーションを作る意識は今シーズン大事にしたい」と説明。新しいスタイルに挑戦する姿勢を強調した。

 また、新戦力として、ファイティングイーグルス名古屋から中村浩陸を獲得。ポイントガードの控えとして、時にはテーブス海大倉颯太とともにコンボガードを組むことが可能だが、一番は粘りのあるディフェンスが武器と言えるだろう。その意味からもA東京には欠かせない戦力だ。

 ただ残念なのは、キープレーヤーの一人と目されていたデイヴィスが左腓腹筋筋損傷、チームの柱、ライアン・ロシターが左大腿二頭筋筋損傷でインジュアリーリスト入りをして、開幕から何節かはコートに立てないことだ。そこで、クラブは急遽、昨シーズンも終盤に加入したビッグマンのスティーブ・ザックと帰化選手のアイラ・ブラウンと契約して対応。フルメンバーがそろうまで、現行の戦力で2人の復帰を待つ。

 10月3日の開幕戦は、TOYOTA ARENA TOKYOのこけら落とし。Bリーグ10年目にして手に入れた新しい城で、新たなアルバルクの創出がチームの浮沈を握る。

■KEY PLAYER/SG #17 マーカス・フォスター

ポジションレスの活躍が期待されるフォスター [写真]=B.LEAGUE

 身長は191センチと決して大きくないが、ヨーロッパでは4番ポジションでプレーしていたこともあり、インサイドのプレーヤーが離脱したプレシーズンゲームでもオールラウンドなプレーを披露した。ただ、フォスターの魅力はオフェンス力の高さ。切り裂くようなドライブ、正確無比なアウトサイドからのシュートはもちろん、キックアウトやゴール下の合わせのパスも精度が高い。普段コート上ではパーカーフェイスを貫くが、コートを離れれば家族を大事にする父親。そのシャイな笑顔も多くのファンを虜にしそうだ。

文=入江美紀雄

マーカス・フォスターの関連記事

アルバルク東京の関連記事

Bリーグの関連記事

BASKETBALLKING VIDEO