2025.10.16
実りある1年をさらなる力に変え、群馬クレインサンダーズは再びクラブの歴史を塗り替える。
昨シーズンの開幕前、ヘッドコーチに就任して間もないカイル・ミリングHCは「まずはチャンピオンシップに出ることが非常に大事になってくる」と目標を語った。新指揮官は見事な手腕でチームを進化させ、宣言どおり群馬をクラブ初のCSへ導いてみせた。
特筆すべきはディフェンス面だ。2023-24シーズンの平均失点が「81.9」だったのに対し、昨季レギュラーシーズンの平均失点は「71.6」。弱点を一気に強みに変えたミリングHCは「シュートに関してはどうしても入らないときがある。だが、しっかりとディフェンスをやり続ければ追いつくことができるし、勝ちにもつながる。選手たちには常にディフェンスのメンタリティを持ってほしいと伝えています」と語る。
ミリング体制2季目は、ますます大きな期待を背負い、狙うはチャンピオンの称号。チームは昨季同様、強度の高いディフェンスとリバウンド、攻撃では3ポイントを軸に勝利を目指す。補強ポイントには「アスレティックプレーヤー」「ストレッチビッグマン」「ハンドラー」の3点を挙げた。
B2時代から群馬を支えたマイケル・パーカー(愛媛オレンジバイキングス)が退団したが、今シーズンも大型補強に成功。中でも注目は、広島ドラゴンフライズでミリングHCとリーグ制覇を成し遂げた中村拓人とケリー・ブラックシアー・ジュニアだ。
チームをまとめる辻直人と藤井祐眞、ドイツ代表のヨハネス・ティーマンなども健在で、クラブの歴史を築いてきたトレイ・ジョーンズは在籍6シーズン目に突入。2025-26シーズンはリーグ屈指の選手層と底知れぬポテンシャルを引っ提げ、頂点へと駆け抜ける。

さらなる飛躍を目指して移籍を決断した中村[写真]=B.LEAGUE
中村拓人は緩急自在のドリブル、広い視野を駆使してコートを支配できる司令塔。周りを生かしながら自ら得点を奪うこともでき、「僕の強みはディフェンス」と本人が言うように守備でも流れを呼び込む。現在の課題は「3ポイント」。今季はアウトサイドシュートにも磨きをかけて群馬を優勝へ導き、その先の日本代表入りを見据える。
昨シーズンの群馬は計56試合で藤井が先発を務めた。そのため、藤井、コー・フリッピン、中村のポイントガード3名を、ミリングHCがどのように共存させるかも非常に見ものだ。
文=小沼克年
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