2025.06.20

B1群馬が広島退団の中村拓人を獲得…Bリーグからは「ヒアリング内容を前提とすると規約違反の問題はない」との見解

広島から群馬に移籍する中村拓人[写真]=B.LEAGUE
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 B1群馬クレインサンダーズは6月20日、広島ドラゴンフライズを退団した中村拓人と、2025-26シーズンの選手契約継続に合意したと発表。2024-25シーズンから群馬に移籍したカイル・ミリングヘッドコーチ、そして今オフに移籍したケリー・ブラックシアー・ジュニアと、再び共闘することになった。

 愛知県出身で現在24歳の中村は、184センチ79キロのポイントガード。中部大学第一高校から大東文化大学へ進学し、アマチュア時代から全国の舞台で活躍。2021-22シーズンから広島に加入すると、司令塔として昨シーズンのリーグ優勝に貢献。在籍4年目だった今シーズンは、主にスターターとしてリーグ戦57試合に出場し、1試合平均9.2得点2.8アシストをマークしていた。

 新天地へ渡ることになった中村は、「まずはじめに、このような素晴らしい機会を与えてくださったクラブ関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。群馬という地でプレーできること心からワクワクしています。必ず優勝するためにどんな事にも泥臭く楽しく取り組み、皆さまに熱いものや感動などを与えられるよう全力で戦いたいと思います。みなさまに会えることを楽しみにしています!」と、クラブを通じてコメントした。

 今回の中村の移籍については“騒動”として視線を集めた側面もあった。広島とは2024-25シーズンから複数年契約を結んでおり、5月20日付けで2025-26シーズンの契約継続に合意した旨が発表されていた。しかし、6月17日に広島が違約金を受け取り他クラブへ移籍することを公表。残留発表から約1カ月ほどで一転“退団”となったことで、SNS上ではファンから様々な声が上がり、Bリーグも契約解除前に水面下で獲得クラブから選手本人へのオファーがあったのかどうか、その移籍プロセスに問題がなかったのかを調査する事態となっていた。

 群馬は、今回の移籍発表に際して「私たちは中村選手の『覚悟』を真正面から受け止め、彼の未来に対する責任を共有する覚悟でこの契約を結びました。彼の成長を全力で支え、共に高みを目指してまいります」とクラブコメントを出し、あらためて移籍の経緯と時系列について説明。

 群馬の発表によると、6月1日に中村のエージェントから選手本人が契約解除を望んでおり獲得に興味があるか打診があったものの、群馬側が契約解除金を支払う条件面で合意しなかったため具体的な検討に至らず。広島との契約解除が成立するまでは応じない旨もエージェントに伝えていたとのこと。その後、6月10日に群馬側から広島へ、中村との契約交渉を行っていいいか確認し、承諾を得たうえで交渉がスタート。6月13日にエージェントから契約解除が成立したとの連絡を受け、本格交渉に突入し合意に至ったという。

 また、Bリーグによる契約交渉プロセスに関するヒアリングに対しても上記内容で回答し、「『両クラブへのヒアリング内容を前提とすると規約違反の問題はない』との見解をいただいております」とも説明。「ファンの皆さまにおかれましては、引き続き温かいご声援を賜りますようお願い申し上げます。中村選手とともに歩む新たなシーズンに、ぜひご期待ください」と締めくくった。

 群馬が公開した契約に至るまでの経緯は以下の通り。

■群馬が公開した中村拓人の移籍に至る時系列

・2025年6月1日|中村選手のエージェントより、中村選手が広島ドラゴンフライズとの間で複数年契約を締結しているものの契約解除を希望している為、契約解除及び解除違約金を支払うことを条件(以下、「契約条件」)に当クラブが獲得に興味があるかの打診を受けました。

・当クラブとしては興味はあるが、提示された契約条件が当クラブの方針に合わなかったため、具体的な検討にまで進みませんでした。また、当クラブのスタンスとしては、「広島ドラゴンフライズとの契約解除が正式に成立するまで、クラブとして動けない旨」をエージェントに対して明言しております。

・2025年6月10日|エージェントからの連絡が一時停止したことを受け、当クラブから広島ドラゴンフライズへ連絡を取り、契約状況、契約条件、また今後中村選手(エージェント含む)に直接契約交渉を行って良いかの確認を行い、承諾を得た上で交渉をスタートいたしました。

・2025年6月13日|エージェントより「契約解除合意が成立した」との正式な報告を受領しましたので、当クラブは本格的な交渉に入り、その後、エージェントとの間で条件の合意に至りました。

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