2025.11.02

千葉Jの連勝を止めた試合で安藤周人が感じたチームの成長…渡邊雄太とのマッチアップにも言及

勝利を呼び込むシュートを決めたA東京の安藤 [写真提供]=アルバルク東京
バスケットボールキング編集部

 アルバルク東京は11月1日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われた「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ」第7節GAME1で千葉ジェッツを78-69で下し、相手の開幕からの連勝を10で止めた。

 この試合で攻守に存在感を放ったのが安藤周人だ。27分間の出場で8得点1リバウンド1アシスト1スティールを記録。しかし数字以上に、試合の流れを変えた勝負強さと渡邊雄太への粘り強いディフェンスが光った。

 第4クォーターに見せたレイアップと3ポイントは、流れを決定づける連続プレーだ。前半は同じ形からドライブを仕掛けてブロックを浴び、ターンオーバーに終わった場面があった。

「ターンオーバーした瞬間にチームメートからめちゃめちゃ怒られちゃって。『そんなに怒る?』って思うくらい怒られて、でもそれでスイッチが入った」と安藤は笑う。声をかけたのはテーブス海だった。「『何やってんだよ!』って言われたんですよ。俺、(ターンオーバーを)1個しかしてねえのになと思って。でも、それだけ信頼してくれてるんだなと感じた」と続ける。

「次はミスしてもいいからアタックしようと思った。ああやって果敢に行けたことが、今日の結果につながったと思う」と前を向いた。

 互いに言い合える関係が、チームの成長を映す。「今シーズンはみんなで言い合えるようになった。だからこそチームとしていい方向に向かっている」と安藤は語る。仲間の声に背中を押され、後半は迷いのないプレーでチームを引っ張った。

「ザック(バランスキー)がスクリーンをかけてくれて、セバス(セバスチャン・サイズ)がしっかりパスをくれた。空いた瞬間に『打たないといけない』と思って打った。チームの助けになって良かった」と安藤。ベンチに下がる際には仲間の歓声を受け、「しんどかったけど、やり切った感があった」と安堵の笑みを浮かべた。

 試合後、デイニアス・アドマイティスHCは「チーム全員がよく戦った」と総括。そのうえで「安藤は自信を持ってプレーしていた。3ポイントの精度はまだ上がると思うが、チームの勝利に大きく貢献した」と称賛した。さらに「渡邊に対してはサイズのミスマッチがあったが、集中を切らさずに守り切ってくれた」と、ディフェンス面での貢献を高く評価した。

 安藤にとって、渡邊との初対戦は特別な意味を持っていた。昨シーズン、渡邊は千葉ジェッツに加入したもののケガで欠場しており、直接マッチアップする機会はなかった。

「雄太は同級生で、ずっと(マッチアップを)楽しみにしていた」と語る。「打たれるのは仕方ない。いかに気持ちよく打たせないか。少しでもリズムを狂わせることが大事」と話し、「フィジカルにやり続ければタフショットを決められても仕方ない。今日はそれができた」と手応えを口にした。

 約15センチの身長差をものともせず、身体をぶつけ続けて渡邊の得意なリズムを封じた。本人の言葉どおり、「嫌がることをやり続けた」姿勢が、勝利を引き寄せる大きな要因となった。

身長差をものともせず渡邊雄太に密着マークした [写真提供]=アルバルク東京

 開幕から4連敗を経験したA東京だが、ここにきてけが人の復帰が進み、チームはようやく本来の形を取り戻しつつある。ただ、安藤は復帰組を待つだけでなく、不在の時間に築けたものの大きさを強調した。

「そのいなかったときに一個土台を作れたのが、すごく大きかったと思う。4連敗があったからこそ今の軸があるし、あのときいたメンバーだけでも追いつく力を見せられた」と語る。「帰ってきたメンバーともう1段階レベルアップできれば、もっといいチームになる」とも話し、試練の時間を糧にした手応えをにじませた。

「彼(渡邊)はこんなもんじゃない。明日はもっと気合を入れてくると思うので、嫌がることをやり続けたい」と力を込めた安藤。開幕当初はベンチスタートだったが、思い切りのいい3ポイントと粘り強いディフェンスでスターターに抜擢され、チームも連勝を続けている。「本当にシーズンはまだまだ長いんで、少しずつ成長できたらいいかなと」と自身に言い聞かせるように語った。

文=入江美紀雄

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