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4勝22敗と低迷する秋田ノーザンハピネッツ、前田顕蔵HCとの契約を解除…AC時代含め11季在籍

双方合意の契約解除が発表された前田顕蔵ヘッドコーチ [写真]=B.LEAGUE
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 秋田ノーザンハピネッツは12月25日、前田顕蔵ヘッドコーチとの契約を双方合意の上で解除したことを発表した。ミック・ダウナーアソシエイトヘッドコーチが後任を担う。

 前田HCは高松ファイブアローズ(現香川ファイブアローズ)を経て、2015年にアシスタントコーチとして秋田へ。2019-20シーズンから指揮官を務め、「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON」はB1第16節を終えて4勝22敗で東地区13位に沈む。

 ダウナー新HCはオーストラリア出身の48歳。NBLのカンタベリー・ラムズを率いた2019年にコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞した実績を持ち、2023-24シーズンから秋田のAC、AHCを歴任した。

 前田HC、ダウナー新HC、水野勇気代表取締役社長は公式HPで次のようにコメントした。

秋田ノーザンハピネッツに関わる皆さま、いつも応援ありがとうございます。そして今シーズン、勝てていないこの状況に関して申し訳ありません。目指すスタイルも表現できず、自分自身の力不足です。水野社長とも10月下旬から何度も話し合いを重ねましたが、今回契約解除という決断に至りました。11シーズン秋田で仕事ができたことは僕の誇りです。本当にありがとうございました。有明、B2降格、B1昇格、チャンピオンシップ出場、日本代表活動、コーチとしてこれだけ経験させていただいたことは本当に幸せでした。何よりも秋田ノーザンハピネッツのホーム会場の一体感が大好きでした」

「妻を亡くした際は水野社長、クラブ、ブースター、そして友人に僕自身本当に助けてもらいました。秋田で勝つんだ。恩返ししたい。そんな気持ちが大きかったです。結果が出ていない今、それはもう僕の独りよがりになってしまいます。チーム、クラブを考えた時、変化が必要でした。このような終わり方で申し訳ない気持ちが大きいですが、結果もない現状では仕方ありません。皆さん、引き続き秋田ノーザンハピネッツの応援をよろしくお願いします!大好きな秋田は僕のホームであり、思い出が沢山詰まった場所です。感謝しかありません。今まで関わった選手、スタッフ、そして水野社長はじめ、フロントスタッフの皆さん、一緒に仕事ができて楽しかったです。秋田ノーザンハピネッツに関わる全ての方へ ありがとうございました!」(前田HC)

「ファン、ブースター、パートナーの皆さまへ 今シーズン、ここまでとても苦しい状況が続いている中、チームに対して支援と情熱を注ぎ続けてくださっていることに感謝を申し上げます。CNAアリーナ☆あきた、そしてアウェーの地でも、ファンの皆さまが誇りを持ってピンクのウェアを身にまとっている姿は、常に私たちの力の源となっています。今後、秋田ノーザンハピネッツのヘッドコーチを務める機会をいただいたことを心から光栄に思い、水野社長には深く感謝いたします。前へ進むための一歩を踏み出す前に、これまでも、そしてこれからも人々に刺激を与え続ける素晴らしい人物についてお話しなければなりません。親愛なる友人であり、絶え間ぬ努力家であり、優れた戦術家、そして過去3シーズンにわたり共に働けたことを心から光栄に感じさせてくれた人物です。ケンゾーさん(前田顕蔵前HC)は、10年以上にわたって献身と情熱を持ってクラブに仕えてきました。彼は秋田の人々が誇れるような土台とアイデンティティを築き上げ、多くの素晴らしい思い出をつくり、クラブの成長を支えてきました。彼はチームのことを誰よりも情熱的に想い、成功だけを願っています。私が今回の機会をいただけたのも、彼の全面的なサポートがあったからこそです」

「私はケンゾーさんが築いたレガシーを継承し、自分にできる最善の方法でこのチームをリードすることを目指します。現在の順位が、ロッカールームの内部においても、コート上のパフォーマンスにおいても、私たちのクラブにとって容認できるものではないことは自覚しています。私たちは攻守両面で改善しなければなりませんが、まずはディフェンスの改善を最優先事項とします。それがよりアップテンポでスピード感のあるオフェンスへと繋がり、ファンの皆さまに楽しんでいただけるバスケットになると確信しています。私は強いマインドセットと倫理観、そして情熱を持って、チームを現在の状況からより良い未来へと導くことを約束します。第一に、この困難な時期にあるすべての選手とスタッフをサポートすること。第二に、自分たちの土台のどの部分に焦点を当て、どのように戦うのかという明確な方向性を示すこと。そして最後に、最も重要なことですが、私たちのクラブにはコートの内外、そしてフロントオフィスに素晴らしい人材が揃っています。彼らは秋田に喜びと成功をもたらすために献身しており、私は彼らのサポートに感謝しています。私たちは、お互いの良さを最大限に引き出し、パフォーマンスを向上させ、ファンの皆さまのためにより多くの勝利を掴み取れるよう戦っていきます。一晩で解決するような魔法はありません。選手たちがこの新しい方向に適応し、突き進んでいくために、『Strength & Unity(強さと団結)』を持って、もう少しだけ辛抱強く見守っていただければ幸いです」(ダウナー新HC)

「日頃より秋田ノーザンハピネッツを熱く応援いただき、誠にありがとうございます。この度、秋田ノーザンハピネッツは、シーズン途中ではございますが、前田顕蔵ヘッドコーチとの契約を双方合意の上で解除するという決断に至りました。まず、今シーズン『チャンピオンシップ(CS)出場』という高い目標を掲げながら、現在4勝22敗という、最下位に沈む極めて厳しい戦績であることに対し、クラブを代表して深くお詫び申し上げます。前田ヘッドコーチとは、今季を勝負のシーズンと位置付け、共に情熱を注いでまいりましたが、現状を打破し、クラブの未来を切り拓くためには、このタイミングでの体制変更が必要であるという結論に達しました。前田ヘッドコーチは、2015-16シーズンにアシスタントコーチとして加入して以来、11シーズンという長きにわたり、クラブの成長に心血を注いでくれました。前田ヘッドコーチが秋田に残した大きな功績の一つは、ペップコーチが築いた『ハードディフェンス』を継承・発展させ、クラブのカルチャーとして根付かせたことです。この姿勢は今や我々の揺るぎないアイデンティティとなり、多くのブースターの皆さまの心を打つ『秋田のバスケットボール』そのものとなっております。また、2021-22シーズンには、限られた予算規模でありながら、Bリーグにおいてクラブ史上初となるCS進出を成し遂げ、秋田に新たな歴史と大きな誇りを与えてくれました。これまでの計り知れない貢献と、秋田に捧げてくれた情熱に対し、心より深く感謝申し上げます」

「シーズン途中での体制変更という苦渋の決断ではありますが、前田氏が築き上げてきたこのカルチャーを途絶えさせることなく、さらに進化させるために、後任はミック・ダウナー氏にお願いしました。ダウナー氏は秋田でのコーチとして3年目を迎え、秋田のスタイルを深く理解しているだけでなく、現在の課題を修正し、新たな形を構築できる最適任の指揮官であると思っております。ミック・ダウナー新ヘッドコーチのもと、チームは立ち止まることなく、再び一丸となって残りシーズンを戦い抜く覚悟であります。ブースター・ファンの皆さま、パートナー企業の皆さま、そして関係者の皆さまにおかれましては、この度の決断をご理解いただき、引き続き秋田ノーザンハピネッツへの変わらぬご支援とご声援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます」(水野代表取締役社長)

 なお、ダウナー新HCは27日にCNAアリーナ☆あきたで開催されるファイティングイーグルス名古屋戦より指揮を執る。

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