2026.07.29
「前半はシナリオ通りにいったので、そこが良かったかなと思います」
「令和8年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ) バスケットボール競技大会」の2日目、女子2回戦で四日市メリノール学院高校(三重県)を破った聖和学園高校(宮城県)の小野裕コーチはこのように試合を振り返った。
この試合は、チェコで行われた「FIBA U17女子ワールドカップ2026」(7月11日〜19日)に出場したU17女子日本代表にてチームリーダーを務めていた小野コーチと、同チームのアシスタントコーチを担った四日市メリノール学院の稲垣愛コーチとのU17女子日本代表のスタッフ同士の対戦でもあり、U17女子日本代表には四日市メリノール学院から小林蘭(2年)ら3選手が選ばれていた。
そのため小野コーチは、「メリノールの選手たちは3週間近くずっと一緒でしたが、小林選手をはじめ本当に能力の高い選手たち。ちょっと1対1ではつけないかなと感じていたので、割り切ってみんなでバスケットをしようということで練習をしてきました」というゾーンディフェンスを対策の一つとして用いた。
前日にゾーンディフェンスの決行を決めたという小野コーチ。これが功を奏し、四日市メリノール学院のオフェンスを停滞させると、攻めては思い切りの良いシュートをコンスタントに決めていく。このオフェンスもまた「相手のディフェンスに対してこう攻めようと準備は結構してきましたし、相手がゾーンディフェンスにしてきたときのゾーンアタックも準備していました」と、描いていたシナリオの中にあった。結局、前半を終えて聖和学園がが42-23と19点のリード。後半こそ「あれがメリノールの強さです」(小野コーチ)と、終盤に怒涛の追い上げに遭ったものの、前半でのリードが大きく、最後は72-64で逃げ切った。
U17女子日本代表の選手とスタッフは、ワールドカップを終えて帰国したのがインターハイ直前。四日市メリノール学院の稲垣コーチと聖和学園の小野コーチも、ともにチームの練習はわずか1、2日しか見られない状況でインターハイを迎えていた。
それでも、組み合わせから初戦となる2回戦で四日市メリノール学院との対戦が濃厚となると、コーチ不在の期間も「選手たちとアシスタントコーチたちが意識を高めて練習をしてくれた」と、小野コーチは言う。そこには、昨年のウインターカップで1開戦で四日市メリノール学院に敗れた経験が大きく、「同じチームに2回負けるのは悔しいから絶対に勝とうという思いがありました。冬の負けがあったので、今日の勝ちがあったのかなと。選手たちが本当によく乗り越えてくれたと思います」と、小野コーチは選手たちを称えた。
昨年のウインターカップでも主力として出場していたオールラウンダーの嶋森羽奏(3年)は、「昨年負けていて、そのときは自分がいい状態でプレーできなかったのがすごく悔しかったので、それも含めて、今回は冬の借りを絶対返すという気持ちで準備してきたので、今までやってきたことを無駄にせずできてよかったです」と、言う。

初戦を突破した聖和学園 [写真]=田島早苗
その嶋森は、今大会ではケガによりチームの練習に合流したのが大会1週間前だったため、「シュートを得意としているのですが、(大会に入る前は)シュートタッチがあまり良くなかった」とインターハイに向けて不安はあったという。
だが、そんなときにアドバイスをくれたのが2学年上の阿部友愛(立教大学2年)で、「『シュートや試合の流れなどは自分自身でコントロールできないものだけど、自分でコントロールできるものをコントロールし続けて』と言ってくれました。それで自分がコントロールできるものをやり切ると決めていました」と、語る。
嶋森自身がやり切ろうと心に決めていた一つが「冷静に判断して、チームの勝利に貢献すること」。実際、「今日は冷静にプレーできたし、判断も良かったと思います」という手応えもあり、試合では18得点4リバウンド5スティールと、勝利に大きく貢献した。
最初の山場を超えた聖和学園は、続く3回戦(30日)で八雲学園と対戦する。「私たちの目標はベスト4に入ってメインコートに立つこと。ベンチに入れなかった選手たちの思いも背負って、必ず全員でメインコートの景色を見られるように、明日もしっかりやり切って、ベスト4まで進んでいきたいです」と、嶋森は次に向けて力強く発した。
文・写真=田島早苗
2026.07.29
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