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「外していいシュートはない」福大大濠・本田蕗以が31得点で福岡第一を撃破…八村塁から得た意識改革

福岡県予選決勝で高いパフォーマンスを披露した本田[写真]=佐々木啓次

 31得点。両チーム最多のスコアをたたき出したのは、福岡大学附属大濠高校のエース・本田蕗以だった。3日に行われたウインターカップ2026 福岡県予選の決勝リーグ最終戦で、福大大濠は福岡第一高校に80-50で勝利し、3戦全勝で頂点に立った。

 試合の2日前、本田は「リベンジの場だと思って、しっかり勝ち切りたい」と闘志を燃やしていた。福大大濠は昨年のウインターカップで連覇を果たしたが、その県予選では福岡第一に70-80で敗れている。「あの1回の負けは、すごく悔しい負けだったので。自分にはもう負けて悔しがるとか、そういうの本当にいらないと思っています。勝つことがすべてなので、しっかり勝っていきたい」

 迎えた最終戦、チームメートと笑顔でハイタッチを交わしてコートに入った本田は、試合開始と同時に目の色を変えた。果敢にゴールを狙い、3ポイントシュートやジャンプシュート、ドライブからのレイアップなど、多彩なパターンで得点を重ねていく。序盤こそ福岡第一の堅守に手を焼いたものの、終わってみれば30点差でライバル対決を制し、1年前の借りをきっちりと返してみせた。

[写真]=佐々木啓次

 本田といえば、8月に八村塁が主宰した育成年代プロジェクト『BLACK SAMURAI SUMMIT 2026』で、夢は「NBA選手になること」だと公言し、話題を呼んだ。あれから約3カ月が経ち、ずっと胸に秘めてきた思いを大観衆の前で口にするのは「勇気がいった」と振り返る。それでも言葉にしたのは、挑戦する覚悟を決めたからだ。「目標を言うことで、自分にプレッシャーがかかるし、意識も高まるんじゃないかなと思って。(言葉にしたら)普段の練習の仕方も変わりました。自分の口で言うのは、ものすごく大事なことだったんじゃないかなと思います」

 目標を宣言してから、「間違いなく自分の意識が変わった」と本田は続ける。「チーム練習にしても、自主練にしても、試合にしても、シュート1本への意識が変わりました。外していいシュートなんてない、と思うようになりました」

 もちろん、これまでもシュートをおろそかにしてきたわけではない。NBAの舞台を見据えるようになり、「試合を意識したチーム練習や自主練を、本当の意味で出来ていなかった」と気づいたという。八村のワークアウトを目の前で見たことも大きかった。「練習でもシュートを全く外していなかった。こういう選手が、世界最高レベルの場所で活躍するんだなって。自分が目指すところにいる選手なので、練習から意識しないといけないと思いました」。八村の一つひとつの動きの正確さや真剣さに触れ、練習の質がそのままプレーの精度につながると実感した。

 そうやって質を求めてきた成果が、福岡第一戦での活躍につながったのだろう。そんな本田のプレーについて、片峯聡太コーチは「点数だけを見れば、よくやったかもしれないけど」と前置きしつつ、「起こしてはいけないターンオーバーを起こしていたのも彼で」と、厳しい目を向ける。本田に大きな期待を寄せているからこそ、「自分のシュートチャンスなのか、仲間がフリーになっているのかを見られるようになってほしい」と、さらなる成長を求めた。

[写真]=佐々木啓次

 福大大濠が目指すのは、ウインターカップ3連覇だ。今年は主力選手が年代別の日本代表活動でチームを離れる期間が長く、全員がそろって練習する機会は限られていた。だからこそ、「みんながそろったときはコミュニケーションを強く意識して、練習を大事にしてきた」と話す。現時点でのチームの完成度は「6割くらい」だというが、それでもエースは「絶対にいける」と言い切った。

 視線の先には、NBAがある。ウインターカップ3連覇を、本田は確かな通過点にしてみせる。

取材・文=高尾太恵子

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