2018.01.06

決勝進出を決めたデンソー アイリス、第4Q開始前に選手たちが声を掛け合い団結

明日、JX-ENEOSとの頂上決戦に臨むデンソーの髙田 [写真]=山口剛生
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 1月6日、「第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」のファイナルラウンド女子準決勝がさいたまスーパーアリーナで行われた。第2試合、デンソーアイリスは富士通レッドウェーブと対戦。第3クォーターに逆転されたが、そこから一気に突き放し、76-62で明日の決勝へと駒を進めた。

 準々決勝の三菱電機コアラ―ズ戦で、前半奪った大量リードを第4クォーターに4点差まで詰められているデンソー。一方、富士通はシャンソン化粧品シャンソンVマジックを相手に19点差を引っくり返して大逆転勝利を納めている。デンソーの小嶋裕二三HCは「(富士通に)準々決勝の勢いをそのまま持ってこられたらきつい」と立ち上がりを心配したが、赤穂さくらのゴール下、髙田真希、稲井桃子のミドルシュート、赤穂ひまわりのドライブ、篠原華実の3ポイントシュートと、スタメン全員がそれぞれの持ち味をしっかり生かしたオフェンスで得点を奪って主導権を握る。富士通も出足こそ少し出遅れたが、篠崎澪、山本千夏、高田汐織らアウトサイド陣が得点を重ね、20-18で第1クォーター終了。

 第2クォーターもデンソーの勢いは止まらず、49-27と大量リードで前半終了。しかし、富士通のディフェンスを攻めあぐね、少しずつ足が止まり出していた。富士通はそこを突き、後半早々から町田瑠唯、篠崎、山本とポイントゲッターたちが次々に得点。また、町田がルーキー栗林未和のインサイドアタックを積極的に選択し、第3クォーター残り5分を切ったところで逆転に成功。富士通の1点リードで最終クォーターへともつれ込んだ。

 しかし、準々決勝で手痛い経験をしたデンソーはここで踏ん張った。第4クォーターに入る前、選手たちは小嶋HCが指示を与える前に「攻めも守りも走ろう」と声を掛け合い、気持ちを高めた。ミスマッチを突いて積極的にゴール下を攻めたエース髙田を中心に、第4クォーター開始早々に一挙7連続得点。シックスマンとして出場したガードの伊集南も自在なゲームコントロールでチームを盛り立てた。富士通は町田、篠崎らが果敢にドライブでアタックしたものの、デンソーの好守に阻まれボールがリングに嫌われた格好となった。

ベンチから6得点3アシストと勝利に貢献した伊集[写真]=山口剛生

 「昨日の試合を受けて、足が止まったりターンオーバーが増えたりしたところを修正しようと話し合ったことで、今日の試合で、悪い時間帯を少なくしてもう一度足を動かして走ろうという意識が持てました。昨日の反省をしっかり修正したことが、点数を離すことにつながりました」と試合を振り返った髙田。満を持して2年ぶりの女王・JX-ENEOSとの頂上決戦に挑む。

文=青木美帆

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