2018.10.03
演出家・映画監督の堤幸彦氏がホームゲームの演出をプロデュースすることになった今シーズンの名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。昨日掲載した堤幸彦監督特別インタビュー「今ここでやるべき仕事だと感じています」では、堤氏自身に故郷・名古屋への思いや今後の展開について話していただいた。そして、ここでは新しいエンターテイメントの具体的な内容を紹介していく。
文=吉川哲彦
「Dream of NAGOYA」というコーポレートステートメントの下、名古屋のシンボルとなるべく本格的に動きだした名古屋D。もちろん、ホームゲーム運営の中で大きな割合を占めるアリーナ演出が大きな軸の1つであることは言うまでもない。今季はそのアリーナ演出を映画監督・演出家の堤幸彦氏がプロデュースし、趣向を凝らした様々な演出を準備しているという。
「実業団時代は照明の暗転も、天吊りのビジョンもありませんでした。B.LEAGUEになったタイミングで劇的に変わったということは言えますが、お手製感は否めませんでした。ワクワク、ドキドキがたくさんある楽しいアリーナということをテーマに、私たちのビジョンである『誇らしいドルフィンズ』というゴールに向かっていこうというのが今回の取り組みです」
注目すべきはやはり、堤監督のプロデュースという点だ。「バスケットって何人でやるの?」というほど競技の知識が浅い堤監督は、それを逆手に斬新な発想で演出を考えた。選手が街に出ていき、歩くにつれて街全体が赤く染まっていくというCG処理を施した映像がその代表格。他にも応援団長のような位置づけのキャラクターの登場、伝統工芸である名古屋扇子を使った応援スタイル、名古屋を拠点に活動するAK-69による楽曲提供といったものが用意されている。AK-69に関しては堤監督とは別にオファーを出していたのだが、堤監督から推薦があり、二人の対談が実現。演出のコンセプトに沿った楽曲制作を依頼するに至ったそうだ。試合終了時には勝敗の結果によって異なる曲を選手・観客で合唱するという試みも準備されている。1日のエンディングという意味で、単なるバスケットの試合にとどまらず総合エンターテイメントとして観客に『今日1日楽しかった』と思ってもらうためのもの。歌詞は監督による書き下ろしとのことだ。
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