2023.06.23
2022-23レギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)としてBリーグの島田慎二チェアマンに名前を呼ばれたのは河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)だった。
6月2日に大手町三井ホールで行われた「B.LEAGUE AWARD SHOW 2022-23」。『ココロ、たぎる。賞』にはじまり、アシスト王、レギュラーシーズン最優秀インプレッシブ選手賞(MIP)、新人賞、レギュラーシーズンベスト5、そしてMVPと、河村は6部門の個人賞を獲得し、何度も壇上に上がった。
2022年2月に東海大学中退を発表し、今シーズンから本格的にプロキャリアを始めた22歳は、レギュラーシーズン52試合の出場で日本人1位の1試合平均19.5得点をマーク。リーダーズになったアシストで同8.5本、スティールでもリーグ6位の同1.5本を記録するなど、目に見える活躍を続けてきた。
河村とともにベスト5に並んだのは、リーグ最高勝率を残した千葉ジェッツから原修太、クリストファー・スミス、富樫勇樹の3人。そして、ぺリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)だ。
ビュフォードは月間MVPに該当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」を今シーズンだけで3度受賞。Bリーグ3年目にしていずれもキャリアハイの同22.4得点9.5リバウンド7.9アシスト1.5スティールと圧巻のパフォーマンスを披露した。レギュラーシーズンでは出場した58試合中10試合で“トリプルダブル”を達成。試合を左右する大事な場面でシュートを託され、幾度となくチームを救ってきた。それでも、シーズンMVPの栄冠をつかむことができなかった。
授賞式後の囲み取材でMVP有力候補だったことについて問われると、「多くの方々が、思うことがあると思いますけど、MVP受賞選手に対して憎しみのような感情はありません。状況は状況ですから」とコメント。「チームの成功に関われて、個人的にもそれなりの結果を残したと思っています。ここでカッとならずに、自分の糧にしていきたい。アメリカに帰国してまた努力して、来シーズン、私に投票しなかった方々に対し、自分が活躍する姿を見せていきたいと思っています」と冷静に言葉を続けた。
また、河村のことを「彼は非常にいい選手で、エキサイティングな選手」と評価。「彼が受賞したことに関して、妬みや恨みはありませんよ。シーズンが開幕してからどんどん成長を遂げて、今に至っていると思います。日本人選手、外国籍選手を問わず、彼は素晴らしい選手だと思っています」と称賛し、「将来が明るい選手。彼はまだ若いですし、まだまだ成長するはずです。彼が謙虚でい続けて、引き続き成長できるように取り組んでいけば、より素晴らしい選手になると思っています」と話した。
河村は受賞後のスピーチで「このMVPにふさわしいか不思議な気持ち」と漏らしたが、B1の各選手とHC、メディアによる投票結果を見ると、2位のビュフォードに150ポイント以上も引き離しての受賞となった。賛否がある選出だったかもしれないが、2人がファンの記憶に残るプレーを見せたのは間違いない。
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