2024.07.16
Bリーグの進捗とともに盛り上がりを見せている『B.LEAGUE #LIVE 2022(Bライブ)』はリーグ公認のファンタジー(空想)スポーツゲーム。実在のB1・B2の選手が残すスタッツがそのまま反映されるので、Bリーグを現実と空想の両方で楽しめるということで注目をさらに集めている。このBライブをさらに面白くするにはリーグの状況を確認することも大切。バスケットボールキングでは毎月リーグの状況を勝敗にスタッツの要素を加えてお伝えしてきた。今回はその最終便。ポストシーズンを振り返る。
文=吉川哲彦
B1は琉球ゴールデンキングス、B2は佐賀バルーナーズが初優勝を果たし、2022-23シーズンの幕を閉じた。ファイナルはいずれも連勝での決着だったが、そろってGAME1はオーバータイムに突入するという激戦。敗れたとはいえ、決勝で顔を合わせた千葉ジェッツも長崎ヴェルカも素晴らしい戦いを披露した。今シーズン最後となるこの稿は、例年以上に熱を帯びたB1とB2のポストシーズンを振り返りたい。
まずB2のファンタジーポイント(以下FP)を見てみると、目につくのはやはりマット・ボンズ(長崎)だ。シーズンを通して高いレベルで安定したパフォーマンスを見せ、後にレギュラーシーズンMVPにも選ばれたボンズは、プレーオフでも累計322.7ポイント、1試合平均46.1ポイントでいずれも2位を大きく引き離してトップだった。3ポイントシュート成功率は20%を切ってしまったものの、勝ったほうがB1昇格という大一番のセミファイナルGAME3では、第4クォーター残り2分55秒に成功させ、勝利を引き寄せた。逆転を許した直後にジェフ・ギブスが退場となるなど、追い詰められた中でリードを奪い返す一撃。ここぞという場面でエースの仕事を果たしたのはさすがだった。
ここからはB1チャンピオンシップに関するトピック。まずは、セミファイナルまでに敗れ去ったチームから活躍の目立った選手をピックアップしてみたい。1番手はやはり、ボンズと同様にFPランキング上位常連のペリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)。チームはクォーターファイナルでの敗退となってしまったが、3試合全てトリプルダブルという圧巻の活躍で、1試合平均62.9ポイントは断トツのトップ。ファイナル進出チームが上位を占める累計のランキングでも5位に割って入るという驚異のスタッツを残した。レギュラーシーズンMVPには選出されなかったが、それでビュフォードの価値が色あせることはない。
その他、クォーターファイナルGAME1で千葉Jに黒星をつけた広島ドラゴンフライズでは、ドウェイン・エバンスが1試合平均30.6ポイント。川崎を撃破し、琉球にも食い下がった横浜ビー・コルセアーズでは、チャールズ・ジャクソンが同38.6ポイントでランキング4位、累計でも9位という好成績だった。また、日本人選手では藤井祐眞(川崎)が唯一の1試合平均30ポイント超えとなっている。今回のCSでは、彼らの奮闘も強い印象を残したことは間違いない。
そして、ファイナルに進んだ2チームに話を進めたい。千葉ジェッツは累計FPで5人がベスト10にランクイン。これは琉球の2人を大きく上回るもので、選手個々の能力の高さを証明している。累計FPのランキング1位に輝いたのは270ポイントのジョン・ムーニー。1試合平均でも38.6ポイントという高水準の数字であり、クォーターファイナルで敗れたビュフォードとファジーカスを除くと最も高い。レギュラーシーズンの1試合平均14.5得点から、CSでは4.1点上昇。結果的に敗れたとはいえ、ダブルオーバータイムにまでもつれたファイナルGAME1で26得点22リバウンド4ブロックというスタッツを残したのが大きかった。3位の富樫勇樹と4位のヴィック・ローを含めた3人は、ファイナルまで安定したスタッツを残し続けた。
締めくくりにふさわしいのはもちろん、優勝した琉球だ。累計FPランキングで6位に入ったジャック・クーリーと12位のジョシュ・ダンカンは期待通りの働きを見せたと言っていいだろう。今村佳太はレギュラーシーズンを約3点上回る1試合平均14.2得点を挙げたのが効き、累計FPはダンカンに次ぐ13位。移籍3シーズン目で、日本人エースとしての地位を確立した感がある。もちろん、キングスの顔である岸本隆一も累計FPで19位と、その存在感は健在だ。
Bリーグ2022-23シーズンの開幕とともにスタートしたリーグ公認ファンタジースポーツゲーム『B.LEAGUE#LIVE2022』は、実在のB1・B2選手からドラフトしてチームを編成しプレーヤー同士で対戦するシミュレーションゲームだ。
プレーヤー同士の勝敗は、選手の実際のスタッツ=活躍に応じたポイントで争い、複数人だけでなく1人でも楽しめる豊富なコンテンツが用意されている。すでに多くのBリーグファンがプレーヤーを楽しんでおり、他のユーザーと交流するツールとしても活用されるなど、上々の反響を得ているということだ。
このゲームの最も面白いところは、日本代表クラスの選手や個人タイトル争いの常連だけでチームを編成できない点。勝敗を競う上ではスタッツが何よりも重要となるが、実際のプロスポーツの世界で過去の実績によって選手の年俸に差が生じるのと同様に、これまでに高いスタッツを残してきた選手とそうでない選手を同じ条件で獲得することはできない。サラリーキャップ(選手総年俸額に上限を設ける制度)のようなシステムがあるこのゲームでは、未知数ながら将来性のある若い選手や、移籍などで出場機会増加が見込まれる選手などを見極め、チームに加える必要があるのだ。
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