2017.12.11

ウインターカップ男子注目校(1)明成高校(高校総体2/宮城県)「夏の悔し涙をうれし涙に」

相原アレクサンダー学(左)と八村阿蓮(右) [写真]=山口剛生
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

12月23日から29日の期間、東京体育館において、「ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開催される。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)、国民体育大会(国体)とともに高校バスケットボール界の三大タイトルであり、ウインターカップは高校最後の王座を争う大会でもある。そして、昨年9月からBリーグが始まったと言えども、高校最後の栄冠を争うこの大会が、国内で最も人気があるバスケットボールコンテンツと言っても過言ではない。バスケットボールキング編集部では今大会で注目すべき5チームをピックアップした。
 
■(1)明成高校(高校総体2/宮城県)

 1回戦負けだった昨年のウインターカップを経て、インターハイでは2年ぶりに決勝のコートに立った。

 決勝の相手は福岡大学附属大濠高校(高校総体1/福岡県)。序盤は主導権を握ったが、後半、福大大濠が展開したゾーンを攻めあぐねて一進一退の攻防に突入。3点ビハインドで迎えた残り2秒、相原アレクサンダー学(3年)が執念のバスケットカウントをもぎ取るが、同点を狙ったフリースローは惜しくも外れ、ルーズボールを保持できぬまま60-61でタイムアップを迎えた。

 チームの主軸を担うのは、キャプテンを務める189センチの長身ガードの相原と、高いリバウンド力と得点力でゴール下を制圧する八村阿蓮(3年)。下級生の頃から注目を集めた2人だが、昨年までは全国大会で目立った活躍を挙げられていない。しかし新チームが始動してからは大きく成長。身体能力を活かした華やかなプレーを見せるハーフの選手が目立つ中、2人はその能力を、泥臭くチームを支えることに注ぎ、真のリーダーとしてチームをけん引している。佐藤久夫コーチもインターハイ時に、「高校3年生の終盤と同じレベルで私の気持ちを理解できるようになった」と、彼らの精神面での成長を大きく評価していた。

 そんな頼もしい大黒柱にガードの塚本舞生(3年)、シューターの田中裕也(2年)、フォワードの本間紗斗(3年)らが絡み、インターハイ以降は下級生も台頭してきた。持ち前の粘り強くスピーディーなバスケットで、夏の悔し涙をうれし涙に変えたい。

文=青木美帆

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