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6月9日、10日に神奈川・川崎で行われた「平成30年度 関東高等学校女子バスケットボール大会 兼 第72回関東高等学校女子バスケットボール選手権大会」は、八雲学園(東京)が2年ぶり2度目の優勝を飾った。
八雲学園といえば、昨年末のウインターカップで女子の1試合最多得点記録62得点をたたきだした奥山理々嘉を擁するチーム。今年度の女子日本代表候補にも選出された絶対エースは、明星学園(東京)との決勝戦でも29得点12リバウンドを挙げている。しかし本人も認めるようにシュートのタッチは決して良くなく、相手のダブルチームに対して捌くパスも精度を欠いた。さらにディフェンスでは明星学園のセンター、オドボ・エンデュランスに対して4つのファウルを犯してしまう。
そんなエースを救ったのはフォワードの小村日夏理、吉田眞子だった。チームを率いる高木優子コーチも「周りがよくがんばって、(奥山を)カバーしてくれた。特に小村、吉田の成長が大きかった」と勝因を語る。
関東大会の東京都予選に続き、またも八雲学園に敗れた明星学園の椎名眞一コーチは「奥山が4つ目のファウルした時に(彼女が守っている)エンデュランスにパスを入れられなかった。そうしたゲームの駆け引きがまだまだできない」と振り返る。それでも、昨年までは「いないほうがマシ」と言っていたエンデュランスの急成長によって、インサイドの核は定まった。キャリアの少ないアウトサイド陣の成長が今後の課題の1つとなる。
3位に入ったのはアレセイア湘南(神奈川)と昭和学院(千葉)。アレセイア湘南はオールラウンダーの宮優里奈を中心に、内外角にバランスのよいバスケットを展開。昭和学院は昨年、右ひざの前十字靭帯を断裂したポイントガードの星杏璃がコートに戻ってきた。今大会は時間制限をかけての出場となったが、それでも彼女がチームに与える存在感を改めて感じさせた。チームは明星学園との準決勝、残り24秒で5点リードの場面から追いつかれ、延長戦で敗れた。鈴木親光コーチは「伝えたことが徹底できずに終わってしまった」と、第4クォーター終盤のミスを悔やんだ。
関東大会は非常に難しい大会といえる。なぜなら彼女たちはこれからインターハイ予選を迎えるからだ。ケガをせず、戦術もすべてを見せないよう、しかしその後のインターハイも見据えつつ、戦わなければいけない。そのなかで得た収穫や課題をいかに各都県予選につなげるか。彼女たちの戦いはここからさらに激しさを増す。
写真・文=三上太