2019.06.26

近畿大会男子は東山が制す…インターハイに臨む関西大北陽、報徳学園は3位で大会を終える

2年ぶりに優勝を果たした東山[写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 6月21日から23日まで、丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で行われた「令和元年度 第66回近畿高等学校バスケットボール大会」。男子は東山高校が洛南高校(ともに京都府)を94-68で破り、2年ぶり4回目の近畿チャンピオンに輝いた。

 第1シードの東山は危なげなく勝ちあがり、準決勝で関西大学北陽高校(大阪府)と対戦。この2校は近畿ブロックの新人戦でも対戦していて、そのときは東山が1点差で競り勝っている。関西大北陽にとっては「今度こそ」の思いが強いゲームで、序盤こそしっかりとついていったが、U16日本代表候補にも選ばれた2年生エースの金近廉が第クォーターで3つのファウルを犯すトラブルに見舞われる。その間、東山は着実に得点を伸ばし、それでも前半を終えた時点では東山が10点のリードを奪っているに過ぎなかった。

インターハイに向けて課題が見つかった関西大北陽[写真]=三上太

 第2クォーターをベンチで過ごした金近は、第3クォーターが始まるといきなりの大爆発。3ポイントシュート2本を沈めて、一気に2点差にまで詰め寄る。しかしここから東山がギアを一段上げる。大澤徹也コーチがチームのキーマンに挙げる脇坂凪人の3ポイント、金近同様にU16代表候補にも選ばれたポイントガードの米須怜音のフローター、そしてキャプテン松野圭恭のドライブ、3ポイントで一気に突き放しにかかる。関西大北陽は東山の爆発的な攻撃についていけず、そのまま89-60で東山が勝利。決勝戦進出を決めた。

攻撃の流れを作る東山の米須[写真]=三上太

 洛南も危なげなく勝ちあがり、報徳学園高校(兵庫県)との準決勝を迎えた。序盤こそビハインドを背負う展開となったが、徐々にその高いタレント性と、伝統の“パス&ラン”が機能し始め、前半を終えた時点で48-36とリードを奪う。後半に入っても集中を切らさなかった洛南が92-73で圧勝。一足先にゲームを終えた東山の待つ決勝戦へと進んだ。

 しかし京都対決となった決勝戦は、女子と同様に思わぬ大差で、しかも大きな見どころもないまま94-68で東山の勝利に終わった。東山を率いる大澤コーチは「モチベーションの差でしょう」と決勝戦を振り返る。

 インターハイに出場できない洛南にとって、次の大きな目標はウインターカップになる。今年度は各ブロック大会で優勝した都道府県にウインターカップの出場枠が追加されると言われている。そのためには、まずブロック大会で決勝戦に進まなければいけないわけだが、洛南にしてみれば京都府の2校が決勝戦に勝ちあがったことで、どちらが勝っても京都府の1枠増は変わらない。そこにゆるみが出てしまったのではないか、と大澤コーチは考えたわけである。

「でも僕たちはインターハイ予選で勝っているので、ここで負けられないという意識もありましたし、予選では7点差だったので、もっと突き放して、借りを返すくらいの気持ちで臨みました。ゲーム自体の入り方もよかったし、いい形で締めくくることができたと思います」

インターハイ出場を逃した洛南は、決勝戦で26点差をつけられた[写真]=三上太

 インターハイに出場するチームは彼らなりの、出場できないチームもまた彼らなりの狙いを抱えた今年の近畿大会は、結果だけを見れば東山の強さが際立つ大会となった。その東山を含め、今大会でベスト4に入り、インターハイにも出場する関西大北陽と報徳学園がここで得た課題や教訓を、残り1カ月でどのように克服するか。ここから夏へのラストスパートが始まる。

【大会結果】
1位:東山(京都府)
2位:洛南(京都府)
3位:関西大北陽(大阪府)
、報徳学園(兵庫県)

取材・写真・文=三上太

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