2019.12.25

大阪薫英女学院の森岡奈菜未「自分たちがやるべきことをやって勝ち上がっていきたい」

森岡はベスト8入りを果たした大阪薫英女学院のキャプテン[写真]=新井賢一
NBA好きが高じて飲食業界から出版業界へ転職。その後バスケットボール雑誌の編集を経てフリーランスに。現在はNBAやBリーグのライターとして活動中。

2戦目となった安城学園戦で森岡は17得点13リバウンドを記録「自分たちの勢いに乗ったプレーができたと思います」

 12月25日。「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は大会3日目を迎えた。

 この日から会場は武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)のみとなり、女子は3回戦が行われ、大阪薫英女学院高校(大阪府)は安城学園高校(愛知県)と戦い、79-59で下してベスト8進出を果たした。

 大阪薫英女学院はキャプテンの森岡奈菜未の17得点13リバウンド3アシスト5スティールを筆頭に、塩谷心海(ともに3年)が14得点14リバウンド4アシスト、安田茉耶(2年)が14得点9アシストを奪うなど、チーム全体で23本のアシストを記録。

 森岡(181センチ)、塩谷(177センチ)という高さが魅力の大阪薫英女学院だが、安城学園も美口まつり(179センチ/1年)、鈴木かりん(174センチ/3年)らがリバウンドで奮闘。第2クォーターは22-21とわずか1点差の10分間を演じた。

「第1クォーターはリバウンドが多かったのですが、第2クォーターはリバウンドで負けています。後半も、リバウンドをかなり取られてしまったことが自分たちのペースで行けなかったところだと思うので、明日以降はそれを修正しないといけないです」と安藤香織コーチは言う。

 26日に迎える準々決勝の相手は、第4クォーターに東京成徳大学高校(東京都/開催地)から逆転勝利を奪った聖カタリナ学園高校(愛媛県)。

 この準々決勝を制してベスト4入りするためには、やはりキャプテン森岡の活躍が不可欠。「昨日の試合(対明秀学園日立高校/茨城県)は初戦ということもあって、少し硬いところもあったのですが、今日はしっかり自分たちの勢いに乗ったプレーができたと思います」と振り返った森岡は、初戦(11得点12リバウンド4アシスト2ブロック)よりもいいプレーができたという。

森岡はポストプレーから3ポイント、プレーメイクもこなす器用さが魅力[写真]=新井賢一

 第2クォーター終了間際には左45度付近から今大会初の3ポイントシュートに成功。決めた本人は「びっくりしました。あれ以外は3ポイントシュートは落としているので」と謙そんしていたものの、そのシュートは柔らかいタッチから放たれ、綺麗にリングへと吸い込まれていった。

 もっとも、安藤コーチは「集中して戦っていたと思います」と森岡について語っていたものの、「後半、いいところで(シュートを)打たなかったことがあったかな。もう少しペイントエリアで身体張ってほしかったですね」と指摘。

 聖カタリナ学園戦に向けては「今日はセンター2人があんまり得点に絡んでなかったと思うので、明日はしっかりとそこから狙っていき、(相手ディフェンスが寄ったら)外の3人へボールが回るようにしていきたいです」とも語った。

26日はベスト4進出をかけて聖カタリナ学園戦へ挑む[写真]=新井賢一

 森岡自身も「(明日は)ダブルチームされることも予想されます。でも、そこから起点になってパスをさばいて3ポイントシュートだったり、自分がしっかりとバスカンを決めたりしていきたいです」と意気込む。

 また、「チームとしてずっと目標にしているのは日本一、全国制覇すること」という森岡はキャプテンとして「目先のことばかり考えるのではなく、まずはしっかり自分たちが一戦一戦、やるべきことをやって勝ち上がり、最後に日本一になることができたらと思います」と口にした。

 試合を重ねていくにつれて、厳しい戦いになるのは仕方ない。だが、ディフェンダーに囲まれてもパスをさばける視野の広さと冷静さを持つ森岡ならば、厳しい局面を打開していくことができると期待したい。

取材・文=秋山裕之

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