2019.12.25

諦めずに目標を持ち続けた藤枝明誠のリーダー・菊地広人

最後までリングに向かった藤枝明誠の菊地は36得点をマークした[写真]=伊藤 大允
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「向上心を失う時が何回もありました。でも、目標を見失わずに自分の決めた目標に向かって何が何でもやり切るということを続けていれば結果は出るということを学んだので、大学でも自分が決めた目標に対して諦めず、やり抜きたいです」

SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子2回戦、東山高校(京都府)に73―100で敗れた藤枝明誠高校(静岡県)の菊地広人は、高校最後の大会を終えて藤枝明誠での3年間を振り返った。

 今のチームは2月の「第32回東海高等学校新人大会」を6年ぶりに優勝。幸先良いスタートを切ったのだが、混戦模様の静岡県においてインターハイ予選では敗退し、夏の全国出場はならなかった。

 そのチームがウインターカップの出場権をつかむまでに至ったのには、菊地の存在が大きい。

「勝ちたい気持ちは誰よりも強い」とは阿部桂コーチの菊地評。加えて「練習中にこちらが曖昧なことを言うと『そこが分かりません』と言います。感覚的なものだけでなく、(プレーの)タイミング、角度、スペースなどといったことをチームで共通理解することにはすごくこだわっていて、こちらが教えられることはたくさんありました」と言う。

 実際、菊地も「ウインターカップはどれだけ細かいところを徹底できるか。新人戦やインターハイは完成していなくても能力で勝ってしまうところはあるけれど、ウインターカップはチーム全員で共通理解を持って全員が徹底仕切れたチームが優勝すると思うので、細かいところをチーム全体で理解しようとは、先生にもチームメイトにも言っていました」とその思いを語った。

 あらゆる面でリーダーとして引っ張ってきた菊地。夏に達成できなかった全国大会出場を冬に果たし、本大会では「全員が得点を狙ってアタックできるところ。ディフェンスも詰めが甘いところはあったけれど、激しく守ることはできました。攻守においての激しさや多彩な攻めは全国でも証明できたと思います」と胸を張った。

インターハイは不出場もウインターカップで存在感を発揮した菊地[写真]=伊藤 大允

 大学でもバスケットを続ける菊地。「このチームでは点を取ることが多かったけれど、背が低いので、大学ではポイントガードとして周りを生かすプレーをして、視野ももっと広く持たないといけないと思っています。そこを学びながら、持ち味の得点力も要所要所で発揮したいです」と目を輝かせた。

文=田島早苗

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