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『B MY HERO!』
「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」において、大会史上初となる高校生審判が登場した。
毅然とした表情で2試合、審判を務め上げたのは都立小山台高校3年生の三浦海音くん。
大会初日の23日(水)は『正智深谷(埼玉) vs 高知中央(高知)』、続く24日(木)には『東北学院(宮城) vs 高岡第一(富山)』をジャッジした。
「一番は無事に2試合終わってホッとしたという気持ちが大きいです。多くの方の力があってこの舞台に立たせていただいていたので、その方々への恩返しを含めてできたのはよかったかなと思います」と、三浦くんは2試合を終えての感想を語った。
さらに今大会一番肌で感じたこととして「トップレベルの選手たちと一緒にコートに立ったことで、彼らの思いや一生懸命バスケットに取り組む姿を間近で見ることができ、バスケットって面白いなというのを感じました」とも語った。そのしっかりとした口調は、審判の時と同様、高校生とは思えないほどだ。
中学時代からミニバスチームのコーチの手伝いとして帯同審判などを行っていた三浦くんは進学した小山台高校で運命的な出会いをする。
それは同校のバスケットボール部顧問の平原勇次氏。平原氏はJBA公認S級審判で、FIBAレフェリーの資格も持ち、オリンピック、ワールドカップと国際大会でもレフェリーを務めている。「担任として、部活では顧問として指導、そして審判の大先輩として、僕の高校生活のほとんどをサポートしてくださって感謝しかないです」と三浦くん。その三浦くんに対しては平原氏は「(審判への)熱意を感じた」と言う。
三浦くんは高校2年生の春からB級審判員に。本来ならば、ウインターカップはほどんどがS級、A級の審判が派遣されるのだが、今回は、新型コロナウイルス感染症防止のために審判の移動制限がかかり、関東圏内の審判だけとなった。それにより、B級の審判も三浦くんもこれまでの公式戦での実績からノミネートされたのだ。
「チャンスを頂いたからには役目をしっかり果たして、高校生じゃダメだなとならないように、コートに立ったら高校生だろうが大人だろうができないことはあり得ないと思うので、一審判員としてできるように準備してきましたし、コートの上でも準備してきたことを出せるように頑張れたかなと思います」と三浦くんは笑顔を見せる。
バスケット部ではプレーヤーとしても奮闘していた三浦くん。9月から11月に開催された『2020 TOKYO THANKS MATCH』ではベスト16決めで敗れたが、審判としてはベスト8決めの試合を務めたという。
姉の影響でバスケットを始め、ウインターカップの存在は昔から知っており、昨年はテーブルオフィシャルズとして大会に携わった。そして高校最後の年は審判として参加。
「ウインターカップの主体は選手で、保護者や見ている観客の方たちにいろいろな思い、メッセージを伝えるのは選手の仕事だと思っています。僕はその手助けをできればいいし、審判は選手たちの試合を成立するのが仕事だと思っています」とハッキリとした口調で言う。
いずれは平原氏のような審判になりたいという目標を持つ三浦くん。「無事受験が終われば平原先生の元にお世話になって、できる限り審判で上を目指して頑張りたいと思います」と今後の抱負を笑顔で語ってくれた。
文=田島早苗