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期待の新星がまた1人現れた。
12月24日に行われた「SoftBankウインターカップ2020 令和2年度第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子2回戦。大阪桐蔭高校(大阪府)は鵠沼高校(神奈川県)を最終スコア101ー66で退け3回戦進出を決めた。
試合は第1クォーターで13点差をつけたものの、第2クォーターでは相手ディフェンスに捕まり前半を終えて40ー33。それでも、後半は立ち上がりから松川侑里香(3年)がスティールからの速攻と2本のブロック、3ポイントで流れを引き込むと、大﨑莉瑚(3年)も連続3ポイントで続いて一気に突き放す。第3クォーターで33ー6と相手を圧倒し、試合を決めた。
初戦の郡山商業高校(福島県)から2試合連続でチーム最多得点をマークしているのは165センチのスモールフォワード、山本雪鈴。チームからは『期待の星』と評される1年生だ。
郡山商業戦は、ただ1人40分間のフル出場を果たして22得点。鵠沼との2回戦でもスタートの5人に名を連ねると、前半で14得点を挙げてオフェンスをけん引。「3年生に支えてもらいながら点差を離せたことがよかった」と振り返った第3クォーターでも、終盤に連続得点を奪うなど同クォーターまでに23得点を積み上げた。
山本のこの試合を通しての得点は32。「ミートからドライブすることが得意ですけど、ドライブだけには相手にも止められてしまうので、まずはシュートを狙うことを意識しています」との言葉通り、ドライブからの得点に加え、5本の3ポイントも射抜いて多彩に攻めた。
また、鵠沼戦では互いに前からしつこくプレッシャーをかけ続けるディフェンス合戦にもなり、大阪桐蔭は35個、鵠沼は34個のターンオーバーを犯す試合に。山本も5つのターンオーバーを犯したことについては「チームでボールを運べなかったです」と反省したが、ディフェンスでは10スティールを叩き出し、「こんなにスティールしたのは初めて。このまま次につなげたいです」と表情を崩した。
「学年は関係ないと思っていますし、1年生らしく堂々と思い切ったプレーでチームの流れを変えて勝利に貢献したいです」
一戦必勝の精神で戦う大阪桐蔭の次なる相手は、石川県代表の津幡高校。上位進出のカギは山本雪鈴が握っている。
文=小沼克年