2026.07.13
NBAのかつてない国際化は、ユース世代にも波及している。スカウトたちは、アメリカ国内だけでなく、世界中の育成現場へ視野を広げなければならなくなった。
Class of 2026世代では、「FIBAユーロバスケット2025」で話題をさらったフィンランド代表のミッカ・ムウリネンがその筆頭格だが、第19回「adidas EuroCamp 2026」でも、新たな才能が頭角を現した。
スペインの名門、FCバルセロナに所属するジョアキム・ブーンチェ・ブーンチェは、MVPこそステファン・ヨクシモビッチに譲ったものの、複数のNBAスカウトが「2028年のドラフト1位指名候補」と見る期待の新星だ。閉幕したばかりの「FIBA U17バスケットボールワールドカップ2026」では、平均19.6得点、10.9リバウンドのダブルダブルを記録し、大会MVPに選出。アメリカ代表の金メダル獲得に大きく貢献した。
ブーンチェ・ブーンチェは、フロリダからスペインへ活躍の場を移し、デューク大学進学に伴い、再び母国へ戻ってくるという異色の育成ルートをたどっている。アメリカと欧州、両方のバスケットボールを学んだ経歴は、国際化が進む現代バスケットボールにおいて、スカウトたちの関心を高める大きな要素となっている。

[写真]=fiba.basketball
「最初の数カ月は、精神的にも肉体的にも本当にきつかったです。特に精神面での厳しさがありました。新しい言語、ヨーロッパの選手たちとの出会い、新しいバスケットボールのスタイルを学ぶこと。そのすべてがメンタル的に難しかったです」
それでも、一つひとつの壁を乗り越えることで次第に自信を深め、成長を実感できるようになったという。常に改善の余地があり、悪い日があっても一喜一憂しない。最終的な目標を見失わないというマインドセットは、NBAでのプレー経験もある父、ルーベン・ブーンチェ・ブーンチェから受け継いだ教えでもある。
進学先となるデューク大学は、ジェイソン・テイタム、パオロ・バンケロ、クーパー・フラッグなど、数々のNBAスターを送り出してきた名門だ。ブーンチェ・ブーンチェにとって、その環境でプレーすることには大きな意味がある。
「ジョン・シャイヤー監督たちとの会話が、決断における重要な要素でした。彼らが育ててきた選手たちを見ると、自分も戦い続けられるし、本当に失うものはないと感じられます。目標は、自分がなれる最高の選手になり、全米で最高の選手になること。そして願わくば、NBAドラフトで1位指名されることです」

[写真]=fiba.basketball
それでも、現代バスケットボールで求められる能力値を考えれば、ブーンチェ・ブーンチェを2028年ドラフトの最上位候補に置く見方が出てくるのも不思議ではない。
最大の魅力は、213センチ級のビッグマンサイズでありながら、ウイングやフォワード的なスキルを併せ持つ総合力の高さにある。U17ワールドカップでは、3ポイント成功率53.1パーセント、フリースロー成功率88.0パーセントと、ショットの正確性も際立った。

[写真]=fiba.basketball
「パスだと思います。自分には良いコートビジョンがあると思っていますし、ボールを持っている時には特に良い判断ができます。14歳までポイントガードをしていました。ポストムーブは後からでも身につきますが、このスキルは年を取ってから学ぶのが一番難しい。ポイントガードのスキルを持って、そこから体が成長していったことこそ、自分を際立たせる助けになっていると感じます」
U17ワールドカップでは、ラウンド16のカメルーン戦で7アシスト、続く準々決勝のプエルトリコ戦でも4アシストを記録した。得点、リバウンドだけでなく、展開力まで備えるビッグマンには、なかなか出会えるものではない。
ブーンチェ・ブーンチェはデュークで少なくとも2シーズンを過ごすことになる。スペインで磨かれ、アメリカ代表で世界を制した大器が、次はNCAAの舞台で開花の時を迎えようとしている。
文=Meiji
2026.07.13
2026.07.13
2026.07.13
2026.07.13
2026.07.13
2026.07.13