2025.09.16
『FIBAユーロバスケット2025』は、ドイツの優勝と『FIBAワールドカップ2023』に続くデニス・シュルーダー(サクラメント・キングス)のMVPで大団円となったが、今大会はNBA未所属選手の台頭も鮮烈だった。
河村勇輝の道が切り開けたように、国際舞台はNBAのフロントも熱視線を送る格好のスカウティングの場。本稿では閉幕と同時にアナウンスされた個人賞リストから、存在感を放った“NBA未所属選手”をピックアップする。
文=Meiji

[写真]=fiba.basketball
FIBAは、ドイツを1993年以来のユーロバスケット制覇に導いたボンガを「ディフェンス面で圧倒的な存在感を発揮した」と賞賛。同国のアラン・イブラヒマジックヘッドコーチは、大会を通じて対戦相手のエースをボンガに託したが、背番号0を背負った25歳は見事にその期待に応えてみせた。
グループリーグでは、本大会で平均23.1得点を叩き出し、オールスター・セカンドチームにも選出されたラウリ・マルカネン(ユタ・ジャズ)を、同選手が出場した全9試合のうち最もロースコアとなる11得点、フィールドゴール成功率26.7パーセントに抑えて完封。準決勝で再びマッチアップした際にも軍配はボンガに上がり、マルカネンをフィールドゴール17本中6本成功、計16得点に封じ込め、フィンランド代表を3位決定戦に送り込んだ。
また、NBAでも指折りの存在であるルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)相手にもひるむことなく、スロベニア代表と激突した準々決勝でドンチッチは39得点を挙げたものの、シュートは25本中11本成功と振るわず。さらに、決勝戦では自身が20得点、フィールドゴール成功率72.7パーセント、3ポイントは4本全て成功という高効率を発揮し、攻守の両サイドでトルコ代表の脅威となった。
2018年に全体39位でレイカーズ入りを果たし、その後もワシントン・ウィザーズやトロント・ラプターズに在籍したボンガだが、目立った成績を残せずに2022年以降はヨーロッパに活躍の場を戻していた。しかし、NBAのエース格とも互角に渡り合うことが証明されたことで、再び最高峰の場でプレーする機会を望むかもしれない。

[写真]=fiba.basketball
わずか18歳のハイフライヤーは、若さから溢れ出るエナジーでチームに勢いをもたらす存在だった。出場時間は平均11分間と決して長いプレータイムではなかったが、平均6.6得点、フィールドゴール成功率60.6パーセントを記録。2ポイント成功率は87.5パーセントという正確性で、3ポイント成功率も35.3パーセントと上々の出来だった。
ムウリネンは、2023年に開催された『FIBA U16欧州選手権』で一躍名前を轟かせ、昨年からフィンランドのトップチームに仲間入りを果たした同国期待の若手だ。現在は、今年のドラフト7位指名でニューオーリンズ・ペリカンズに加入するジェレマイア・フィアーズの母校、AZコンパス・プレップに在籍しており、『ESPN』におけるClass of 2026の評価は全米15位、センターを主戦場とする選手に限定すれば全体1位の高評価を受けている。
デューク、ケンタッキー、ノースカロライナ、アーカンソー、ミシガンなど、すでに名門大学からのオファーを受け取っているムウリネン。抜群のアスレチック能力と機動力、攻守でのインパクトがNCAAでも際立てば、ワン・アンド・ダンでNBA入りを果たすに違いない。
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