2025.09.15

歴代7人目の快挙…ドイツをユーロバスケ制覇へ導いたシュルーダーがW杯に続いてMVP獲得

トルコとの決勝でもダブルダブルをマークしたシュルーダー[写真]=fiba.basketball
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■「僕がこれまでプレーしてきた中でベストなチーム」

 日本時間9月15日に行われた、トルコ代表ドイツ代表による「FIBAユーロバスケット2025」決勝戦は、同点11度、リードチェンジ15度を記録する大激戦となった。

 この試合でトルコは24分3秒間にわたってリードを保持。第4クォーター残り2分2秒にはシェーン・ラーキンがフリースロー2本を決めて逆転した。残り1分49秒にダニエル・タイスの3ポイントシュートでドイツが再び1点リードも、ラーキンがレイアップを成功させて残り1分34秒でトルコが1点リードを奪った。

 するとドイツはデニス・シュルーダーサクラメント・キングス)が躍動。「僕らが大事な場面で臆することはない。このチーム全員にはものすごい自信があるんだ」と語ったベテランガードは、残り1分15秒に相手ディフェンダーのブロックを超えるハイアーチのレイアップを放り込む。

 さらに、残り約19秒にはセカンドチャンスからプルアップジャンパーをヒット。相手のショットミスを挟んで今度は残り8秒にフリースロー2本を着実に決め、最終スコア88-83の勝利へと導き、ドイツがユーロバスケットを制覇した。

 1993年以来、32年ぶり通算2度目の金メダルを獲得したドイツは、4本の3ポイントをノーミスで沈めたアイザック・ボンガが計20得点に5リバウンド3アシスト、フランツ・ワグナー(オーランド・マジック)が18得点8リバウンド2アシスト2ブロック、シュルーダーが16得点3リバウンド12アシスト、トリスタン・ダ・シルバが13得点4リバウンドを記録。

 一方のトルコはアルペレン・シェングン(ヒューストン・ロケッツ)がゲームハイの28得点に3リバウンド3アシスト3ブロック、ジェド・オスマンが40分間のフル出場で6本の長距離砲成功を含む計23得点に5リバウンド、ラーキンが13得点6リバウンド9アシスト2スティール、アデム・ボナ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)が12得点2ブロックを残すも一歩及ばず。

 ドイツは2022年のユーロバスケットで銅メダル、2023年の「FIBAワールドカップ」で金メダルを手にした。2024年夏のパリオリンピックこそ4位に終わってメダルを逃すも、今年のユーロバスケットを9戦全勝で制覇。そのチームでけん引役を務めるシュルーダーは、このように語っていた。

「今年は特別なグループだ。校外学習みたいでね。このチームのみんなが、一緒に集まってプレーするのが大好きなんだ。2つの大会を制覇できたんだから最高さ。僕らは本物のチームで、僕がこれまでプレーしてきた中でベストなチームなんだ」

 なお、シュルーダーは2023年のW杯に続いて2025年のユーロバスケットでも大会MVPを受賞。ドイツ出身の選手がユーロバスケットのMVPに選ばれたのは3人目で、両方の大会でMVPに選ばれたのはダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)とシュルーダーのみ。

 この2つの大会でMVPに輝いたのは、ノビツキーやスペイン代表のパウ・ガソル(元ロサンゼルス・レイカーズほか)を含めてシュルーダーが歴代わずか7人目の快挙。

 今年のユーロバスケットで、シュルーダーは全9試合で16得点以上、準決勝と決勝でいずれも12アシストをたたき出し、大会平均20.3得点3.4リバウンド7.2アシストと、見事な働きでドイツがトーナメント制覇を飾る立役者となった。

シュルーダーが決勝戦の終盤にクラッチジャンパーを沈めた[写真]=fiba.basketball

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