2025.09.13
NCAA(全米大学体育協会)は9月12日(現地時間11日)、大学在籍時期に違反行為を行ったとされる男子バスケットボール元学生アスリート13名について、スポーツ賭博規則違反および関連する調査協力拒否違反を主張する手続きを進めていると発表した。
昨今のNBAを取り巻くスポーツ賭博問題は、大学界隈にも波及している。NCAAのプレスリリースによると、現在調査中のスポーツ賭博違反には、自チームや対戦相手への賭け、スポーツ賭博目的で第三者への情報提供、得点や試合結果を意図的に操作する行為、執行スタッフの調査への不参加などが含まれているという。現在進行中の事案では、アリゾナ州立大学のほか、イースタンミシガン大学、テンプル大学、ニューオーリンズ大学、ノースカロライナA&T州立大学、ミシシッピ・バレー州立大学に所属していた元学生アスリートが対象になっており、違反委員会はすでに3件の類似事案を解決している。
NCAAのチャーリー・ベイカー会長は、スポーツ賭博に対して厳しく監視していく方針を明らかにすると同時に、健全に競技が行われるよう運営側への提言を述べている。
「NCAAは毎年、2万2000試合以上を監視しており、このような競技の公正性を脅かすリスクを引き続き積極的に追及していく所存です。スポーツ賭博の台頭により、アスリートがこうした受け入れ難い行動に関与する機会が増加しています。スポーツ賭博が合法化された以上、規制当局やゲーミング企業はプロップベットの廃止や、ポリシー策定におけるスポーツリーグの参画などによって、このような公正性リスクを減らすことができるのではないでしょうか」

[写真]=Getty Images
このような事例もあり、現行のNCAA規則では、学生アスリートや学校、カンファレンス、全国事務局のスタッフが、NCAA選手権のあるスポーツに関してはプロ・大学レベルを問わず、スポーツ賭博に関与することを禁止している。
ベイカー会長は過去にも「プロップベットは競技の完全性を脅かし続けている。学生アスリートが嫌がらせを受ける事態にまで発展している」と語り、NCAAは今年3月、賭博の被害や依存対策、教育などを行う「EPICグローバル・ソリューションズ」とのギャンブル被害教育プログラムを延長。同プログラムはNCAA加盟校に無料で提供されるもので、2022年1月以来、学生アスリートにスポーツ賭博の危険性を教育する取り組みに重要な役割を果たしており、同種のプログラムとしては世界最大規模だという。
なお、今回の調査において、学校やコーチは直接関与していないとされ、処分対象は学生本人のみとなっている。
急速な合法化市場の成長と容易にアクセスできる環境、そして学生アスリートの経済的な課題。教育プログラムの実施や事件の公表など積極的に取り組むも、課題が解決されるまでには至らないのが現状だ。
スポーツ賭博は歴史的にも最大級の倫理リスクであり、スポーツの公平性が脅かされようとしている。国や規制当局には今、適切な対応が求められている。
文=Meiji
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